エピソード06

生きているって、こういうことなんだ

「もう、前みたいには戻れないかもしれない」

治療を終えても、寝たきり。

少し動くだけで激痛が走り、
食事もミキサー食を少しだけ。

むせるのが怖くて、
食べることも嫌になっていました。

施設に来ても、最初は

「動きたくない」
「しんどい」ばかり。

眠れず、
ベッドに横たわる日々が続きました。

それでもスタッフの皆さんは、

食事の時間や
とろみの調整など、
できることを毎日、
根気強く工夫してくださいました。

ある日、ふと話した
「昔、犬を飼っていてね」

その言葉を覚えていたスタッフさんが、

「ドッグセラピー、
やってみませんか?」と
声をかけてくれたんです。

犬と触れ合った瞬間、
思わず笑顔がこぼれていた
自分に驚きました。

「まだ、笑えるんだ」

心に、
小さな灯がともった気がしました。

その後、
今度は強いかゆみに苦しみましたが、

主治医の変更、
衣類や空調の調整など、
すぐに動いてくださったおかげで、
少しずつ落ち着いていきました。

そしてある日、
こう言われました。

「久しぶりに、外出してみませんか?」

誘ってくれたのは、
アウトレットモール。

大好きなアイスクリームを
食べたその瞬間、

「生きてるって、
こういうことかもしれない」

そう感じたんです。

もちろん、
今でも痛みやかゆみはあります。

でも、
「また少しでも前に進みたい」と
思えるようになりました。

一歩一歩が、
わたしのリズム。

これからも、
自分らしく過ごしていきたいです。

このエピソードに立ち会った人
アルファリビング倉敷幸町

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