エピソード05

“もう一度、家で暮らしたい” そう願った私を、見守ってくれた人たち

ある日、突然の骨折。

それまでの日常は、
強い痛みとともに消えていきました。

頼れる身内もいない中、
ひとりきりの自宅で、
私はただ途方に暮れていました。

そんなとき、
手を差し伸べてくれたのが
この場所でした。

初めて施設を訪れた日。

慣れない環境に、
途切れない痛み。

そして、これからの生活のことを思うと、
涙が止まりませんでした。

「ここでできることを、
一緒に考えていきましょう」

スタッフの方のその言葉が、
かすかに私の心を
支えてくれたのを覚えています。

痛みが少し和らぎはじめた頃、
「もう一度、家で暮らしたい」という
気持ちが湧いてきました。

でも、夜になると押し寄せる不安。

ある晩、つらくなって
救急車を呼んでしまったこともありました。

そのとき、

真夜中にもかかわらず、
病院まで迎えに来てくれた
スタッフの姿に、

私は思わず涙しました。

「頼れる人がいない私を、
迎えに来てくれるなんて」

あのときの嬉しさは、
今でも忘れられません。

やがて、
「ここで療養してみよう」と思えるようになり、
本格的な生活が始まりました。

苛立ちや戸惑いにも
耳を傾けてくれるスタッフの存在が、
私の心を少しずつほどいていきました。

少しずつ動けるようになっていく体。

会話の中で思い出す、
家のこと、育てていた花のこと。

そのたびに、
「やっぱり帰りたい」という思いが
強くなりました。

ある日、
久しぶりに自宅へ一時的に戻ったとき、

枯れてしまった花を見て、
心が沈みました。

「本当にひとりでやっていけるのか」

その不安が、
言葉や態度に出てしまったこともありました。

でも、スタッフの皆さんは
その気持ちをまるごと受け止めて、

「できること」を
一緒に増やしていってくれました。

気づけば、
ひとりで外に散歩に出られるまでに
回復していました。

そして、
ついに迎えた自宅復帰の日。

新しいケアマネジャーとの引き継ぎ、
支援体制の準備、
すべてが整い、

私は笑いながら、
自分の家へ戻ることができました。

この場所での時間は、
ただの療養ではありませんでした。

「もう一度、
私らしく暮らすための準備期間」だったのだと、
今ではそう思います。

私の「帰りたい」という想いを、
否定せず、
そっと寄り添ってくれた皆さん。

本当にありがとうございました。

このエピソードに立ち会った人
アルファリビング高松松縄
谷本 周治

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