お役立ちコラム
高齢者の熱中症対策とは?熱中症になる原因や具体的な症状
目次
夏の暑い季節が訪れると、外出時だけでなく室内にいたとしても熱中症になる危険性があります。
特に高齢者においては、若年層よりも熱中症になるリスクが高いとされており、特別な対策を行わなければ体調を悪化させてしまう危険性があるので注意が必要です。
健康的な生活をできるだけ長く過ごしてもらえるよう、ここでは高齢者の熱中症リスクが高い理由や取り組むべき熱中症対策、熱中症が疑われる場合の対処方法について、詳しく説明します。
高齢者の熱中症リスクが高い理由とは?

高齢者の熱中症リスクが高いと言われる理由は、以下の4つです。
- 1.暑さを感じにくい
- 2.体内の水分量が少なくなる
- 3.のどの渇きを感じにくい
- 4.我慢・無理をしてしまう
これらの理由があることを知っておけば、なぜ高齢者に特別な熱中症対策が必要であるかを理解でき、体調を崩すことなく熱い季節を乗り越えられるようになります。
ここからは、高齢者の熱中症リスクが高いと言われる理由について、詳しく説明します。
理由1.暑さを感じにくい
1つ目の理由は、高齢者は暑さを感じにくいということです。
通常は外気温が上昇することに伴って体温が上がれば、体が暑いと感じて汗をかくなど、体温を下げようとする機能が自然と働きます。
しかし、高齢者はこのような体温調節機能が低下してしまうといわれています。たとえ体温が上昇していたとしてもうまく体が対応できず、体温を下げることが難しくなるのです。
また、体が体温を調整しにくくても、暑さを感じれば涼しい場所に移動したいと感じたり、エアコンを作動させるといった、体温を下げるための行動をとるもの。
しかし、暑さを感じにくい高齢者は、体温を下げようとする行動をとろうと思いにくいため、結果的に熱中症になってしまいやすいのです。
理由2.体内の水分量が少なくなる
2つ目の理由は、体内の水分量が少なくなることです。
高齢者は、若年層よりも体内に保持している水分量が少ないとされています。
体温を調節するために水分は不可欠ですが、そもそも体内に含まれている水分量が少なければ、体から少しの水分が失われただけで熱中症になりやすいのです。
体温調節だけでなく、体の老廃物を排出するためにもある程度の水分が必要。
しかし、「トイレに通う回数を抑えたい」といった理由で意図的に水分摂取量を控える高齢者も多いため、日常的に脱水状態になっている高齢者は意外と多いです。
食事にも水分が含まれていますが、食事摂取量が低下した高齢者はさらに脱水状態になりやすく、熱中症になるリスクが高いといえます。
理由3.のどの渇きを感じにくい
3つ目の理由は、のどの渇きを感じにくいということ。
体内の水分が少なくなれば、人間は自然とのどの渇きを感じるようになり、水分を摂取したいと感じるようになります。
しかし、高齢者は体が脱水状態になっていたとしても「のどが渇いた」と感じにくいのです。
のどの渇きを感じる機能が低下すると、いつまでたっても脱水状態が補正されず、熱中症を発症するリスクを高めてしまいます。
たとえ大量に汗をかくような運動をしていなかったとしても、日常的な汗、尿や涙などのように常に水分を排出しています。
入浴中や睡眠中など、気づかないうちに多くの水分が失われているケースもあるため、意識的に水分を摂取することが大切です。
理由4.我慢・無理をしてしまう
4つ目の理由は、我慢・無理をしてしまうからです。
熱中症対策のために水分摂取が重要だと知っていても、高齢者によってはつい我慢や無理をしてしまう人もいます。
「周囲の人達に迷惑をかけたくない」「夏は暑いものだ」と言って熱中症対策に必要な行動をとらないことで、熱中症を発症してしまう高齢者は多いです。
今まで大丈夫だったからといって、必ず熱中症にかからないわけではありません。
近年の異常気象が多発している状況を考えると、体が耐えられないような暑さが続いてしまう危険性が高いので、今までの生活様式を変化させる必要があります。
とはいえ、これまで過ごしてきた生活様式を突然変化させるのは簡単なことではないので、少しずつ身につけていくことが大切です。
高齢者が取り組むべき熱中症対策

高齢者が熱中症を予防するために取り組むべき対策は、以下の5つです。
- 1.室内を涼しくする
- 2.こまめな水分補給や適度な塩分摂取を心がける
- 3.外出は控えめにする
- 4.熱中症対策グッズや食べ物を取り入れる
- 5.日頃の体調管理に気をつける
これらの対策に取り組めるように意識しておけば、熱中症にかかるリスクを抑えられるようになり、体調不良を予防しながら日常生活を過ごせるでしょう。
ここからは、高齢者が取り組むべき熱中症対策について、詳しく説明します。
対策1.室内を涼しくする
1つ目の対策は、室内を涼しくすること。
「暑くないから」「電気代がかかるから」といった理由で、暑くてもエアコンをかけない高齢者は多いです。
しかし、夏は人間の体が耐えられないほど室温が上がってしまうことも...。
場合によっては寝ている間に熱中症を発症してしまい、命の危険にさらされる人もいるので注意が必要です。
熱中症にならないための適正温度や湿度を理解しておき、たとえ暑くなくても室内温度を涼しく保っておくことが大切になります。
エアコンの機種によっては操作方法が良く分からないという高齢者も多いです。もし室内温度をうまく調整できないのであれば、ご家族や知人に設定や温度調整をお願いしてみるのも良いでしょう。
対策2.こまめな水分補給や適度な塩分摂取を心がける
2つ目の対策は、こまめな水分補給や適度な塩分摂取を心がけること。
汗をかいて脱水状態になると、熱中症を発症しやすくなります。のどが渇いたと感じにくい高齢者は、定期的に水分補給を心がけることが大切です。
また、体の水分が排出されるときは、塩分も同時に排出されます。塩分が含まれた経口補水液や食品を、基礎疾患の有無や主治医の意見も参考にしながら、適度に摂取しましょう。
対策3.外出は控えめにする
3つ目の対策は、外出を控えめにすること。
気温の高い時期でなければ外出により体を動かして気分転換や体力の維持をすることが大切です。
しかし、夏などの気温の高い時期に外出すると、汗で体内の水分が失われてしまい熱中症を発症するリスクを高めてしまいます。
暑い時期は外出を控えめにすることが大切ですが、もし外出する場合は服装や休憩時間に十分配慮して、体温上昇を防ぐ対策をとることが重要です。
対策4.熱中症対策グッズや食べ物を取り入れる
4つ目の対策は、熱中症対策グッズや食べ物を取り入れること。
最近は、体温を下げるために保冷剤を身に着けられるようにしたものや、携帯式扇風機など、熱中症対策グッズが多数販売されています。
また、体が喪失した塩分を補うために、塩分タブレットや塩飴といった食べ物が版売されているなど、熱中症予防が期待できるアイテムも増えており、より熱中症対策を身近に感じられるようになっています。
汗拭きシートなど、使用後に爽快感を得られるような商品はたくさんありますが、熱中症を予防するためには、あくまで体温上昇や脱水を防ぐことが大切。
商品によっては冷たい感覚を味わえるだけで体温を下げる効果が期待できないものもあるので、暑さをしのぐための補助的なアイテムとして活用するようにしましょう。
塩分補給に関しては、基礎疾患によっては制限が設けられている場合があるので、主治医と相談しながら取り入れるようにすると安心です。
対策5.日頃の体調管理に気をつける
5つ目の対策は、日頃の体調管理に気をつけること。
高齢者は体温調節機能が低下していることが多いですが、体調不良が重なるとさらに体温をうまく調節できなくなってしまうことも…。
今まで熱中症にかかったことがないと自信を持っている人でも、体調不良時は熱中症を発症する危険性が高くなるので、規則正しい生活習慣や食習慣を維持するなど、日頃から体調を整えることが大切です。
熱中症の4つの種類

熱中症には、以下の4つの種類が含まれています。
- 1.熱失神
- 2.熱けいれん
- 3.熱疲労
- 4.熱疲労
種類ごとの特徴や違いを知っておけば、どのような段階を踏んで熱中症を発症するのか理解でき、早期に熱中症を疑うことができるようになります。
ここからは、熱中症の4つの種類について詳しく説明します。
種類1.熱失神
1つ目の種類は、熱失神です。
熱失神は、暑い環境でじっとしていたり、急に立ち上がったりした時、運動後といったタイミングでに起こるもの。
上半身に溜まっていた血液が下半身に集中することで、血圧が下がって脳血流が減少することで起こるとされています。
めまいや失神などの症状が見られ、涼しい場所で足を高くして横になっていると改善することが多いです。
種類2.熱けいれん
2つ目の種類は、熱けいれんです。
熱失神の状態が悪化すると、筋肉痛や筋肉のけいれんといった症状を起こすようになります。
いわゆる「足がつった」といった症状で、脱水が進んで体内の塩分が少なくなることが原因とされています。
汗を多量にかいた時に起こりやすく、涼しい場所での休息はもちろんのこと、水分とともに適量の塩分を補給することが大切です。
種類3.熱疲労
3つ目の種類は、熱疲労です。
熱疲労は、体内の水分や塩分の喪失が進み、補正が追いつかない状態のことです。
体内の血流が維持できなくなることによって、失神などさまざまな症状が起こります。
その他にも、めまいやふらつき、筋肉痛や頭痛など、熱失神や熱けいれんと同様の症状が出現するケースもあるため、判断が難しいのがやっかいなところです。
熱疲労の状態を放置すると、さらに重症度の高い「熱射病」へ移行する危険性もあり、早めの対処が重要になります。
種類4.熱射病
4つ目の種類は、熱射病です。
熱射病は、熱中症の中でも最も重症度の高い段階とされています。
体温上昇や脱水が高度に進んでいることから、皮膚は赤く乾燥し、暑くても汗がでないケースもあり、通常の体温計で測定できないときもあるほどです。
体温が40℃を超えると、心臓や肺、腎臓や肝臓、脳といった生命維持には欠かせない臓器にダメージを与えることから、場合によっては命の危険にさらされることもあります。
後遺障害をのこす危険性もあることから、高度な医療機関で専門的な治療を受ける必要があることを知っておきましょう。
熱中症を疑う場合の対処方法

日常生活を送る中で熱中症を疑う症状が出現した場合、以下の対処方法をとる必要があります。
- 1.涼しい場所でスポーツドリンク等を摂取する
- 2.必要に応じて医療機関を受診する
これらの対処方法を知っておけば、熱中症の症状が進行する前に適切な対応ができるようになるでしょう。
ここからは、熱中症を疑う場合の対処方法について、詳しく説明します。
対処方法1.涼しい場所でスポーツドリンク等を摂取
1つ目の対処方法は、涼しい場所でスポーツドリンク等を摂取すること。
熱中症への基本的な対処方法は、体温をなるべく早く下げることです。まずは涼しい場所に移動することを優先させましょう。
エアコンの効いた屋内に移動するのが望ましいですが、そのような場所がなければ日陰に移動しましょう。
熱中症になっていると水分だけでなく塩分も喪失していることから、お茶や水を飲むよりも塩分が含まれたスポーツドリンク等の飲料を摂取するのが望ましいです。
それと同時に冷却剤や氷などで首や脇などを冷やし、すみやかに体温を下げましょう。
対処方法2.必要に応じて医療機関を受診する
2つ目の対処方法は、必要に応じて医療機関を受診すること。
軽度の熱中症であれば、体温を下げて水分や塩分を摂取することで改善します。
しかし、症状がひどかったり対処して治まらない場合は、医療機関を受診して専門的な治療を受けましょう。
高齢者の場合は、軽度な症状であっても想像以上に重症度が高くなっているケースもあるため、一度医師の診察を受けておくのがおすすめです。
まとめ

ここでは、高齢者が熱中症になりやすい理由や熱中症の種類と、熱中症を疑う場合の具体的な対処方法について説明しました。
熱中症にかからないように普段から心がけておくことが大切ですが、万が一熱中症の症状が出た場合はすみやかに対処することが大切です。
ここで説明した内容を参考にして、熱中症にかからないような生活習慣を身につけるとともに、熱中症を発症した場合に適切な対処ができるようにしておきましょう。




