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環境の変化によるストレスも。一人暮らしの高齢者が住み替えを渋る理由とは?
目次
高齢の親が一人暮らしをしていると、心配する家族は自分たちの家あるいはより安全なマンションなどへ住み替えを提案する場合が多々あります。しかし往々にして高齢者は住み替えを渋る傾向にあり、そういった家族の提案は受け入れられないことがほとんどです。
この記事ではまず高齢者が住み替えを渋るのはなぜなのか、そして対策として可能な限り環境の変化による負担を減らすことの重要性を説明します。また、安全な住み替えの選択肢の一つとして老人ホームや高級老人ホームへの入所をご紹介します。
■高齢者が住み替えを渋る理由
高齢者が住み替えを渋るのは、住み慣れた環境から離れることに抱く抵抗感が主な理由です。人生の変化に合わせてリフォームを繰り返してきた人や、何かあったときに子どもや孫が帰れる場所を確保しておきたいと考える人も多く、家そのものや周りの環境への愛着が手放せないと感じてしまうのです。また、とりわけ一戸建てに住んでいる高齢者の場合は、マンションという共有スペースを含む集合住宅に慣れておらず、上手く馴染めるか不安を感じることも多くあります。
高齢者自身も、子どもの近くに住んだり都心の安全なマンションへ移住したりすることが、自分たちの生活を便利にしてくれることは自ずと理解しています。しかし、住み慣れた土地への愛着、そして新環境への不安が、住み替えという選択肢を遠ざけているのです。
■環境の変化を可能な限り減らすのがポイント

高齢者の住み替えに際して留意したいのは、「環境の変化を可能な限り減らす」というポイントです。そのポイントを考慮した上で最も理想的なのは、同じ街にあるマンションに移住してもらうことです。それが不可能な場合は親の出身地やかつて住んだことのある街など、すでに土地勘のある場所へ移れるよう工夫しましょう。それによって、環境の変化によるストレスを最小限に抑えることができます。
また、住み替えに関わるすべてのことは、当人たちと細部までよく相談し合ってから決断するようにしましょう。親も子どもも納得できる住み替え場所が見つかるよう何度も話し合いを重ね、実際に候補のマンションへ一緒に足を運ぶなど住み替えの全プロセスを協力して共に歩んでいくことが大切です。それにより親も漠然としていた住み替えへのイメージが具体的になってくるので、住み替えも選択肢の一つとして考えてくれるようになります。
■老人ホームへの入所も視野に入れて

住み替えの選択肢としては、子どもとの同居以外に「老人ホーム」「シニア向け分譲マンション」「サービス付き高齢者向け住宅」の3つがあります。大きな違いとしては、老人ホームでは介護・医療支援サービスが受けられるのに対し、他の2つではそれが不可能という点です。
サービス付き高齢者向け住宅では「生活相談サービス」および「安否確認サービス」の2つのサポートが受けられますが、要介護の度合いが高いと入居できなかったり、入居後に介護が必要になった場合は退去しなければならなかったりすることもあります。
シニア向け分譲マンションでは、高齢者が生活しやすいようレストランや温泉等の施設が整えられていますが、基本的には介護・医療支援サービスは行っていません。入居後に要介護となった場合には別途外部の業者に「訪問介護」を頼むか、デイサービスに代表される「通所介護」を利用する必要性が出てきます。
ここで注目したいのが、老人ホームの存在です。老人ホームには「介護付き有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」が存在します。「介護付き有料老人ホーム」ではそのホームの介護職員・看護職員が介護サービスを行い、「住宅型有料老人ホーム」では外部業者に介護サービスを委託する形になります。どちらも医療機関と連帯しているため、医師による定期的な健康診断や薬の管理を受けることができ、高い安心感が得られます。
また最近では、設備が充実しており高級感のある豊かな暮らしが楽しめる「高級老人ホーム」も増えてきました。同じ建物の中にクリニックが設けられていたり、きれいに整えられた屋上庭園が楽しめたりするところもあり、高級老人ホームは今後さらに発展を遂げていくでしょう。
一人暮らしの高齢者が住み替えを渋る理由、それに向けた対策、そして選択肢のひとつとして老人ホームへの入所についてご紹介してきました。何か急な体調の変化等があっても、すぐにサポートを受けられるというのは大きな安心材料です。高齢者が住み替え前後に抱く「不安」が和らぐため、老人ホームを住み替えの選択肢のひとつとして視野に入れる価値は大いにあるでしょう。
高齢者を含めた家族皆でよく話し合い、当人をはじめとした全員が納得できる方法を選びとっていきましょう。




