お役立ちコラム
介護における感染症対策の必須知識!感染症を防ぐポイントや対処方法
目次
介護生活を送る上で、健康管理は大きな課題。特に感染症にかかってしまうとスムーズな生活が阻害されてしまい、快適な毎日を送ることができなくなってしまいます。
そのため、介護においてなぜ感染症対策が重要なのか、感染症をどのように防げば良いのかを知っておくことは重要です。
今回は、介護における感染症対策で知っておくべき知識を紹介します。
介護における感染症対策が重要になる背景

介護において感染症対策が重要になる背景には、以下の2つがあります。
- 1.医療処置が必要な高齢者が施設や在宅に増加
- 2.高齢者にはしっかりとした感染症対策が必要
これらの背景を踏まえて、介護生活を考える上で感染症対策も視野に入れるようにすることが大切です。
まずは、介護における感染症対策が重要になる背景について、詳しく説明します。
背景1.医療処置が必要な高齢者が施設や在宅で増加
厚生労働省によると、日本の少子高齢化は年々進んでおり、65歳以上の高齢者の人口は2025年には3,657万人、2042年には3,878万人とピークを迎えるといわれています。
当然いわゆる要介護者だけでなく、日常的な医療処置が必要な高齢者もますます増えることが予想されるため、今後は施設や在宅で医療処置が必要な高齢者をどのようにケアしていくかが、重要視されているのです。
病院では感染症対策はもちろん、感染症を患った時の処置をスムーズにしてもらえますが、十分な医療設備の整っていない施設や在宅では感染症対策が不十分になる可能性があります。
そのため、今後は施設や在宅においても、感染症対策がより一層大切になるでしょう。
背景2.高齢者にはしっかりとした感染症対策が必要
介護施設には、抵抗力の弱い高齢者がたくさん集まります。感染症を完全になくすことはできませんが、できるだけ感染症を広げないようにすることで、安全に生活し続けられるでしょう。
介護施設によっては認知機能の低下した高齢者が入所しているところも。そのような方たちに感染症対策を徹底するのは難しいので、施設職員が中心となって感染症対策を行うのはもちろん、あなた自身も感染症に対する知識と技術を身につけておくことが大切です。
介護現場で感染症が発生する経路とは?

介護現場で感染症が発生する経路には、以下の4つがあります。
- 1.接触感染
- 2.飛沫感染
- 3.空気感染
- 4.血液媒介感染
介護現場においてどのような原因で感染症が発生するかを知っておけば、あなた自身で感染症を防げるようになり、安全な暮らしを維持できるはずです。
ここからは、介護現場で感染症が発生する経路について、詳しく説明します。
経路1.接触感染
接触感染は、ウィルスや細菌が付いているものに直接触れたり、それらに触れた物を通して自分自身の体に付着すること。
尿路感染症や疥癬、水虫などが代表的で、よく人が触れる場所や汚物が飛び散りやすい場所に注意が必要です。
他の人とタオルを共有したり、他の人に使用した物品を消毒せずに使用したりすることで感染するので、不用意にものに触れないことや、物品の使い回しをする時はきちんと消毒してあるかを確認することが大切になります。
経路2.飛沫感染
飛沫感染は、感染症を持っている人が咳やくしゃみなどでウイルスや細菌を外に飛ばし、それが他者の体内に入って感染すること。インフルエンザウイルスが代表例です。
食事やレクリエーションなどで多くの入所者が集まる時は、どれだけ気をつけていても飛沫を浴びてしまう危険性が高くなります。
感染症を患っている人は、咳やくしゃみの頻度が多くなりがち。目に見えていなくても飛沫は遠くまで飛ぶので、適度な距離感を意識しておくことが大切です。
経路3.空気感染
空気感染は、ウイルスや細菌の水分が蒸発して細かい微粒子となり、空気中に漂った状態で他者が体の中に吸い込んで感染すること。麻疹や水痘などの感染症が代表的です。
ものに触れたり他者と近づいたりしていなくても、空気中の広い範囲をウイルスや細菌が漂ってくるので、密閉した空間ではどうしても感染症のリスクが高くなります。
また、マスクを着用していてもウイルスや細菌の粒子が小さすぎるため、マスクを通過して体内に入ってしまうのも特徴。
空気感染を予防するための特殊なマスクもありますが、一般的に使用される頻度は少ないです。適切に換気をすることでウイルスや細菌が外に出て行くので、居室などが長時間閉め切った空間にならないようにすることが大切になります。
経路4.血液媒介感染
血液媒介感染は、他者の血液に含まれる感染原が他者の体内に入ることで成立する感染症。B型肝炎やC型肝炎、HIVなどが代表例です。
輸血や針刺しなどが原因になることが多く、介護施設では発生頻度が高い感染症ではありません。しかし、介護施設でも採血や血糖測定など、血液を媒介するシーンが想定されるため、清潔な機材が使用されているか、しっかり消毒されているかという視点を持つことが大切になります。
もし血液媒介感染の原因となる疾患を持っているのであれば、感染症を他者に広げるのを防ぐために、介護施設の職員に必ず申告しましょう。
介護生活で感染症を防ぐためのポイント

介護生活で感染症を防ぐためには、感染症から身を守る方法を知っておくことが大切。
介護生活で感染症を防ぐポイントは、以下の5つです。
- 1.こまめに手を洗う
- 2.マスクを着用する
- 3.日頃から体調を整えておく
- 4.予防接種を受けて感染症を予防する
- 5.家族にも感染症予防に協力してもらう
ここからは、介護生活で感染症を防ぐポイントについて、詳しく説明します。
ポイント1.こまめに手を洗う
ウイルスや細菌は知らないうちに手に付着しているもの。目に見えないことから、常に感染症対策を意識するのは難しいでしょう。
しかし、こまめに手を洗ったり、ものに触れる前後にアルコール消毒をしたりすることで、ウイルスや細菌を減らすことができるので、手洗いのタイミングを身につければ、感染症を防ぎやすい生活習慣を獲得できます。
特に食事前や排泄後などは、しっかり手を洗うようにしましょう。
ポイント2.マスクを着用する
集団の中で過ごす時や人と近い距離で接する時は、必ずマスクを着用しましょう。
特に飛沫感染では、口や鼻からウイルスや細菌を吸い込むことで感染します。
大勢の人が集まる場所に行く時や、人と近距離で接触する場合は、飛沫が体内に入らないようにマスクを着用して、感染症を予防することが大切です。
ポイント3.日頃から体調を整えておく
感染症対策では、ウイルスや最近が体内に入らないような行動ばかりを意識してしまいがち。
ウイルスや細菌が体内に入らないようにするのも大切ですが、万が一それらが体内に入ってしまった場合のことを考えて、日頃から体調を整えておくことも大切です。
感染源が体内に入った時に免疫力が低下していると、ウイルスや細菌が増殖しやすくなります。
規則正しい食事や毎日の口腔ケアなどで体調を整えておくことで、感染症に負けない体を維持できるでしょう。
ポイント4.予防接種を受けて感染症を予防する
自分自身で免疫力を高めることには限界があります。そのため、予防接種を受けることで新たな感染症を患うリスクを軽減することも大切です。
インフルエンザワクチンの予防接種や肺炎球菌感染症の予防接種など、高齢者が受けるべき予防接種はいくつかあります。どんな予防接種を受けるべきか、チェックしておきましょう。
人によっては予防接種を受けないほうが良い場合もあるため、かかりつけ医に相談しておくと安心です。
ポイント5.家族にも感染症予防に協力してもらう
自分自身で感染症対策を行うことは重要ですが、あなただけで感染症を予防するのは難しいです。
普段からよく関わる家族にも感染症対策に関する知識や技術を身につけてもらうことで、あなたの身の回りから感染源を遠ざけることにつながります。
施設に入所した場合は、施設職員との感染症対策について話をして、一緒に感染症対策をすることで、健康的な暮らしを維持しやすくなるでしょう。
感染症にかかった?いざという時の対処方法

もし感染症にかかってしまった場合、どのような対処方法があるかを知っておけば、慌てずに冷静に対処できるようになり、感染症の悪化を予防できるでしょう。
ここからは、感染症を患った場合の対処方法について、詳しく説明します。
できるだけ早く医師の診察を受ける
感染症にかかってしまったかもしれない場合、できるだけ早く医師の診察を受けましょう。
高齢者によっては感染症を患っても症状が出にくく、体調不良に気づかないケースもあります。
少しでも体調に異変を感じたら、家族や施設の職員に伝え、すみやかに医師の診察を受けることで、症状が悪化する前に適切な処置をしてもらえるでしょう。
二次感染を予防する
感染症にかかったと分かったら、感染症を他の人に広げないようにすることも大切。
二次感染によって周囲の人が感染してしまうと、介護施設がうまく機能しなくなったり、家族の負担が増えてしまったりする危険性があるからです。
関わる人を最小限に抑えたり、手洗いやマスクの着用を徹底したりするなど、感染症が広がらないよう、医師や施設職員の助言をしっかり守るようにしましょう。
介護施設における感染症対策とは?

介護施設への入所を考えている場合、介護施設がどのような感染対策を講じているかを知っておくことは大切です。
介護施設の感染症対策への取り組みを知っておけば、感染症対策に協力しながら入居者全員で健康的な暮らしを維持できるでしょう。
ここからは、介護施設における感染症対策について、詳しく説明します。
厚生労働省による感染症対策ガイドライン
厚生労働省は、医療・介護関係者が感染症対策に関する適切な知識を持って業務に取り組めるよう、「感染症対策ガイドライン」を制定しています。
施設ごとに構造や入所者数といった違いはありますが、基本的な感染症対策に関する取り決めに基づいて、それぞれの施設に適した感染症対策を考えているのです。
新型コロナウイルスの影響で、施設内の集団感染を予防する重要性が今まで以上に高まっています。各施設がどのような感染症対策を講じているのかを知っておくと、安心して生活できるようになるでしょう。
感染症対策委員会の設置とマニュアル作成
介護サービスを利用する側からは見えにくい部分ですが、施設ごとに感染症対策委員会や感染症対策に関するマニュアルを作成しているところが多いです。
感染症対策委員会では、施設としてどのように感染症対策を進めていくのか、感染症の流行状況や厚生労働省からの通達などをもとに、時期に応じた感染症対策を検討していきます。
委員会の中で感染症対策に関する事項が新たに決まったら、職員全員が理解した上で業務に取り組めるようにすることも大切。
委員会で話し合われた内容を議事録として記録に残し、タイムリーに職員へ周知するだけでなく、感染症対策マニュアルを更新して、いつでも適切な対応ができるような仕組みを整えておきます。
感染症対策への取り組みは施設ごとに異なるので、入所する施設を決める場合は、どのような仕組みで感染症対策が取り決められているのかを聞いてみるのも良いでしょう。
定期的な勉強会を開催
感染症対策について話し合われた内容を議事録に残したり、マニュアルを更新したりするだけでは、情報の1つとして形骸化してしまうことも…。
また、文書で提示された内容だけでは、読む人によって理解度や捉え方が異なるため、適切に情報が伝達されない可能性もあります。
そのため、施設では定期的な勉強会を開催し、感染症に関する知見の高い講師に、感染症対策についての知識や技術を指導してもらっているところが多いです。
勉強会では、感染症対策についてまとめられた資料をもとに講義が進められるだけでなく、ときには実技や演習を交えて、施設職員に行動レベルで感染症対策を身につけてもらうようにしています。
どのような頻度や形式で勉強会を行っているかは、施設ごとに異なるもの。
しかし、医療や介護に従事する職員として、常に最新の情報をもとに感染症対策を身につけているところがほとんどなので、感染症について知りたいことがあれば、遠慮なく職員に相談してみましょう。
まとめ

ここでは、介護における感染対策の重要性や、感染症が成立するまでの経路、感染症を防ぐ方法や感染症を患った場合の対処方法について説明しました。
ここで説明した内容を参考にして、介護施設を選ぶ時に感染症対策についてどのような視点を持てば良いかを理解でき、あなたが安心して入所できる施設を見つけられるようになりましょう。




