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エピソード06アメージングなリボーン
母が施設に入居することになったのは、昨年の11月でした。入居前の面談で会ったとき、母はほぼ寝たきりの状態で、食事もゼリー食がやっとの状況。弱り切っていて、声にも力がなく、「本当にここで生活できるのだろうか」と正直、不安に思いました。
それでも母は、「ここは寂しい」とぽつりとこぼし、私たち家族も「温かい介護を受けながら、少しでも穏やかに暮らしてほしい」と願い、施設の方々の支えを信じて入居を決めました。
入居直後の母は、食事も介助が必要で、移動も排泄もすべて支援が必要でした。それに加えて、寂しさからナースコールを頻繁に押し続け、職員の皆さんにもご苦労をかけていました。でも、そんな母が、驚くほどの変化を遂げることになるのです。
2か月もしないうちに、母はまるで「生まれ変わった」ように変わりました。刻み食が食べられるようになり、トイレでの排泄もできるように。歩行器を使って歩行訓練にも励み、ネイルやヘアカットも楽しむようになりました。まるで別人のように、母の表情は活き活きとしていきました。
この変化に、私たち家族は思わず「アメージング!」と声を上げました。母がここで新たな生活をスタートし、「リボーン」したのです。
母の変化のきっかけは、施設の皆さんが母の残された能力を見極め、「できること」を増やす支援を続けてくださったことでした。利き手ではない方の手が意外と器用に動くこと、下肢の筋力がまだ残っていることに着目し、少しずつ介助方法を調整。母の「自分でできること」を増やすサポートをしてくれました。
また、母の寂しさを受け止め、職員の方がこまめに声をかけたり、楽しみを見つける工夫をしてくれました。おかげで母は、生活に前向きになり、「自分でできることは自分でやる」と意思を持って取り組むようになりました。
今では、母には新しい目標があります。歩行器を使って、家族の家まで歩いて行くこと。そして、そこにいる愛犬の風花に会うこと。この目標に向かって、母はこれからも歩み続けます。
母の変化を見て、私は「人は愛情を受けることで変わるのだ」と改めて実感しました。すべての人がここまで変われるわけではないかもしれませんが、必ず何かしらの希望は生まれるのだと思います。
これからも母が「自分らしく」暮らしていけるように、私たち家族も、そして施設の皆さんと一緒に、愛情をもって支えていきたいと思います。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。