エピソード05新しい生活を待つ父と、支えてくれたスタッフたち

父と母がアルファリビングに入居することになったのは、私たち家族にとっても大きな決断でした。母が骨折と心疾患で入院している間、在宅生活を続けていた父は「まだ二人で生活できる」と強く言っていましたが、現実的に二人だけでの生活は難しいと感じていました。母の退院後も安心して暮らせるよう、施設での生活を提案しました。

父は母をとても大切にしており、入院中も毎日手紙や差し入れを持って病院を訪れるのが日課でした。その思いを尊重しながらも、施設での生活が二人にとって最善だと考え、父も納得してくれました。驚いたのは、「先に自分が施設に入って慣れておくよ」と父が提案してくれたことです。母を迎える準備をしたいという父の気持ちに、私たち家族も感謝と安心を覚えました。

施設に入居してからも、父は自分の生活ルーティンを続けたいと強く希望していました。決まったスーパーで刺身を買い、晩酌を楽しむことや、ラーメン屋で餃子をお供にビールを飲むことが、父にとっての小さな幸せでした。スタッフの皆さんがそのルーティンを支え、外出時のサポートを細かく工夫してくれたことで、父は施設での生活を「快適だ」と語ってくれました。

その一方で、父は在宅酸素の使用に慣れるのに苦労していました。酸素をつけ忘れて外出してしまうこともありましたが、スタッフの皆さんが訪問看護や地域の方々と連携し、父が安全に生活できるよう尽力してくださったことには感謝しかありません。

そんな父が母に宛てた手紙を見た時、胸が熱くなりました。「退院まであと〇〇日、一緒に暮らせるのが楽しみだよ」という言葉には、母を思う父の深い愛情が溢れていました。母も後にその話を聞き、「文章を書くのが上手な人で、そこに惹かれたのよ」と照れ笑いを浮かべながら話していました。

しかし、父が母との新しい生活を始める前に突然倒れ、帰らぬ人となりました。私たち家族にとって、母と一緒に暮らすという父の夢が叶わなかったことが何より悔しかったです。それでも、父らしく好きな場所で最後を迎えたことに、少し救われる思いがありました。

その後、母は施設に入居しましたが、父のことはしばらく伝えないという家族の方針で、穏やかに過ごす時間を作ることができました。スタッフの皆さんが母の様子を細やかに報告してくださり、遠くに住む私たちも安心して見守ることができました。母が最後を迎えた時、父と同じく、この施設でたくさんの愛情に包まれていたことに感謝の気持ちでいっぱいでした。

父と母、二人の新しい生活が叶わなかったことは今も胸に残りますが、スタッフの皆さんの温かいサポートのおかげで、二人が安心して過ごせたことに心から感謝しています。家族の絆を支えてくれたアルファリビング鹿児島上之園は、私たちにとって特別な場所です。本当にありがとうございました。

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