エピソード03父が第二の家で見つけた“もう一つの家族

父がアルファリビングでお世話になり始めたのは2014年10月のことでした。当時90歳を超えていた父は穏やかでのんびりとした性格そのままに、マイペースな生活を送っていました。日常のことはある程度自分でできており、スタッフの皆さんのサポートを受けながら、入居前から続けていた陶芸教室にも毎週通うことができました。施設のスタッフの方が遠方の窯元まで送迎してくださり、その道中で父の若い頃の話や戦時中の出来事を聞いてくださったことを父も楽しみにしていたようです。

アルファリビングでの生活が始まったことで、遠方に住む私たち姉妹も、父が安心して暮らしていると実感できました。面会のたびに父は穏やかな笑顔を見せ、「ここでの生活は快適だ」と話してくれていました。また、膀胱がんの治療後に設置されたウロストーマのケアについても、看護スタッフの方が丁寧に対応してくださり、皮膚トラブルが起きても迅速に治療を行ってくださったおかげで、父の健康をしっかり守っていただけました。

年月が経つにつれ、父の認知機能や身体の動きは徐々に低下していきましたが、それでもスタッフの皆さんが父のペースに合わせて生活を支えてくださいました。陶芸教室に通えなくなった後も、父らしい生活が送れるようにと、私たち家族や主治医の先生とともに話し合いながら、日々のケアを丁寧に続けていただきました。そのおかげで、父は自分らしく穏やかな日々を過ごすことができたのだと思います。

2021年、父が病状の悪化で入院することになり、そのまま施設に戻ることなく逝去しました。施設での生活が長かった父にとって、アルファリビングは第二の家のような存在でした。葬儀の後、施設から離れることになると考えると、私たち家族もどこか寂しい気持ちでいっぱいでした。

そんな中で、私たちがどうしても叶えたかったのが、父の初盆の際に行われる“精霊流し”に、アルファリビングのスタッフの皆さんにも参加していただくことでした。父がアルファリビングでどれだけ大切にされていたか、私たち家族にとってどれだけ安心感を与えてくださったかを考えると、父もスタッフの皆さんを家族のように思っていたに違いありません。だからこそ、この大切な行事にぜひ一緒に参加してほしいとお願いしました。

2022年8月15日、雨が降る中、スタッフの方が精霊船を曳いてくださり、大きな掛け声や爆竹の音とともに父を見送る姿を見て、私たちは本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。父が大好きだった賑やかなお祭りのような雰囲気の中、きっと満面の笑顔で船に乗っていたことでしょう。この瞬間、アルファリビングのスタッフの皆さんが単なる介護者ではなく、父にとって本当の家族だったのだと実感しました。

その後も、私たち姉妹が長崎に帰省するたびにアルファリビングを訪れると、「おかえりなさい」と笑顔で迎えてくださるスタッフの皆さんとともに、父の思い出話をする時間が私たちの癒しになっています。アルファリビングは、父にとっての家であるだけでなく、私たち家族にとっても「帰る場所」なのだと思います。

父が最期まで父らしく過ごせたのは、アルファリビングのスタッフの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。そして、これからも父のように大切な人たちが穏やかに過ごせる場所であってほしいと心から願っています。

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