- あなぶきの介護トップ
- あなぶきの介護の体験エピソード
- “もう一度、家で暮らしたい”その願いを叶えてくれた人々
エピソード05“もう一度、家で暮らしたい”その願いを叶えてくれた人々
ある日、突然の骨折と意識を失うという出来事で、私の生活は一変しました。肋骨を痛め、動くたびに強い痛みが走り、これからどうなるのかという不安で胸が押しつぶされそうでした。頼れる身内もおらず、入院することもできず、自宅でただ困り果てている私に手を差し伸べてくださったのがアルファリビング高松松縄でした。
初めて施設を訪れた時は、正直なところ戸惑いと不安ばかりでした。慣れない環境、痛み、そして突然の変化に心が追いつかず、何度も涙を流してしまいました。そんな私をスタッフの方々が温かく迎え入れ、「ここでできることを一緒に考えましょう」と声をかけてくださったのを今でも覚えています。
数日経つと、痛みが少し和らぎ始め、少しずつ前を向く気持ちが芽生えました。「早くリハビリを始めて、元の生活に戻りたい」と思うようになりましたが、それを実現するには多くのハードルがありました。ある夜、どうしようもなく不安になり、自分で救急車を呼んでしまったこともありました。その時、スタッフの方が深夜にもかかわらず病院まで迎えに来てくださり、「頼れる身内がいない私を迎えに来てくれるなんて」とまた涙が溢れました。
そんな中、私自身も「しばらくここで療養してみよう」と思うようになり、本格的に施設での生活を始めました。スタッフの方々は、私の苛立ちや不安に対しても誠心誠意向き合ってくださいました。どんな時も真摯に対応してくれるその姿勢に、次第に心を開いていきました。
ようやくリハビリが始まり、少しずつ体が動くようになると、施設での生活にも慣れ始めました。スタッフの方と何度も話をする中で、自分の過去や家族、そして大切にしてきた自宅について語ることが増えました。幼少期、遠足や運動会に参加できなかったこと、弟に不憫な思いをさせた記憶、母を介護しながら見送った日々。リフォームして大切にしてきた自宅への思いも、自然と口にするようになりました。
久しぶりに自宅へ戻った際、大切に育てていた花が枯れているのを見て、また心が沈みました。「自宅に帰りたい」という思いと、「一人でやっていけるだろうか」という不安が入り混じり、時にその葛藤をスタッフの方々にぶつけることもありました。それでも、私の目標を支え続けてくださるスタッフのおかげで、少しずつ自信を取り戻し、ついには一人で散歩に出かけるまで回復することができました。
そして、ついに自宅に戻る日がやってきました。新しいケアマネージャーとの引き継ぎや、必要なサービスの準備も進めてもらい、私の自宅復帰への道筋が整えられました。その日は晴れ晴れとした気持ちで、「来た時も嵐のようだったけど、帰る時も嵐のようね」と笑いながら自宅へ戻りました。
アルファリビングで過ごした日々は、ただ療養するだけでなく、私が再び自分らしく生きるための準備期間だったと思います。温かく見守り、支えてくださった皆さんに心から感謝しています。これからも、自宅での生活を大切にしていきたいと思っています。
ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。