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エピソード04認知症でもあきらめない!社交ダンスへの再挑戦
私は2021年の夏頃から、自分でも気づかないうちにイライラすることが増え、病院で「前頭側頭型認知症」と診断されました。2022年の3月には自宅で尻もちをついて腰を痛め、入院生活を送ることになりました。その後、リハビリ目的で老人保健施設に入所しましたが、筋力が落ちてしまい、歩行器を使わないと歩けない状態になりました。ひとりで自宅で暮らすのは無理だと言われ、家族の勧めでアルファリビングに入ることになりました。
正直、最初は不安でした。私はずっと社交ダンスが好きで、ずっと続けたいと思っていたのです。でも、老健でも病院でも「ひとりで外出するのは無理」と言われていました。家族も心配していて、「安全第一」と言われると、やっぱりダンスはもう諦めるしかないのかなと思っていました。
アルファリビングに入ったばかりの頃は、新しい環境に馴染めず、何かと言ってはイライラしてスタッフの方々にも当たってしまうことがありました。家族に対してもつい怒りをぶつけてしまい、家族との距離ができてしまったのも自分でも分かっていました。それでも心の奥底では「またダンスがしたい」という気持ちがずっと残っていて、入居から1か月ほど経った頃、ついにスタッフの方に「ダンス教室にはいつ行けるの?」と尋ねてしまいました。
その後、スタッフの皆さんが驚くほど真剣に、私の希望を叶えるために動いてくれました。デイサービスでは筋力を取り戻すための訓練を始め、屋外での歩行訓練も行ってくれました。介護スタッフの方々は体調面のサポートをしながら、私の心にも寄り添ってくださいました。そして「一度試してみよう」と言ってくださり、タクシーや教室の先生、生徒の皆さんにも協力してもらえるよう手配してくださいました。
初めてタクシーでダンス教室に向かった日は、緊張と期待で胸がいっぱいでした。教室に到着し、生徒の皆さんが迎えてくれたときは懐かしい気持ちが溢れてきました。曲が流れると、体が自然と覚えていたのでしょう。軽やかに足を動かし、ステップを踏むことができました。久しぶりにダンスを踊ったその瞬間、「これが私の生きがいだ」と心から思いました。
その後、月に2回ですが、一人でタクシーに乗り教室に通うことができるようになりました。ダンスを再開してから、心が穏やかになり、イライラすることもほとんどなくなりました。それに、家族との関係も少しずつ修復されていきました。娘たちも私がダンスを踊る姿を見に来て、「こんなに楽しそうなお母さんを見たのは久しぶり」と喜んでくれました。
アルファリビングのスタッフの皆さんのおかげで、私の希望が叶えられただけでなく、心の中にまた光が差し込んだように感じています。ここに来て良かったと思っています。これからも、自分らしく日々を楽しみながら過ごしていきたいです。
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