エピソード03施設でも叶えられる“自宅での時間”

私は、コロナ禍の中でこの施設に入居しました。それまでは特別養護老人ホームにお世話になっていましたが、そこでは家族との面会も外泊もできない日々が続き、寂しい思いをしていました。家族と会える機会を求めて、この施設への入居を決めたのです。

入居した当初は、腰の圧迫骨折の痛みがひどく、少しでも動くと強い痛みを感じていました。また、仙骨部には褥瘡があり、ベッドでの生活が中心でした。入院したほうが良いのではという話もありましたが、家族と会える時間を優先したいという私と家族の願いを尊重していただき、施設で療養することに決まりました。

施設に来て1か月ほど経つと、少しずつ痛みが和らぎ、ここでの生活にも慣れてきました。それでも、心の中では「自宅に帰りたい」「家族ともっと過ごしたい」という思いが強く、口にすることも多かったです。そんな中、家族が「一度自宅に連れて帰りたい」と申し出てくれました。その話を聞いた時、胸がいっぱいになりました。

しかし、自宅で過ごすにはいくつかの課題がありました。毎日の褥瘡の処置や、圧迫骨折のため車椅子に座るのが難しいことが大きな壁でした。それでも、施設のスタッフの皆さんが主治医やケアマネジャーと話し合い、家族に褥瘡の処置方法を指導したり、自宅に特殊寝台を導入する準備を進めてくれたりして、私の願いを叶えるために全力で支えてくださいました。

そして、ついにストレッチャーで自宅に帰る日がやってきました。久しぶりに家の空気を感じ、家族と過ごす時間は本当に幸せでした。ベッドで横になりながらも、家の中の懐かしい景色や家族の声に包まれて、心が満たされるような時間でした。

施設に戻ってきた時には、思わず「楽しかったよ」と笑顔で話しました。久しぶりの外泊で、家族と過ごせた時間がどれほど私を元気づけてくれたか、言葉にしきれないほどです。スタッフの方々も、「良かったですね」と一緒に喜んでくれて、また自宅に帰れる日が楽しみになりました。

ここでの生活があるおかげで、家族と繋がる時間を持てています。これからも、家族と過ごす機会を作りながら、穏やかな日々を送っていきたいです。この施設での支えに感謝しながら、日々を大切にしていきます。

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