エピソード01リハビリを乗り越えて、私らしい毎日が戻った

私はもともと自立して生活できていたので、ここでの暮らしは新しい発見も多く、穏やかに過ごしていました。朝が苦手な私は10時ごろから活動を始めることが多く、スタッフの皆さんがそのペースに合わせてくれるのが本当にありがたかったです。居室で静かに本を読むのが好きでしたが、たまに故郷・雲仙の話をするのも楽しみのひとつでした。

しかし、ある日、居室で転んでしまい、腰に激しい痛みが走りました。病院に運ばれ、「第1腰椎圧迫骨折」と診断され、コルセットをつけてリハビリを行う必要があると言われました。けれど、病院という場所にどうしても馴染めず、不安や痛みが重なり、リハビリも拒否してしまいました。点滴も嫌で外してしまったり、痛みに耐えられずに叫んでしまったり、周囲に迷惑をかけてしまったことを覚えています。

そんな中、病院から施設に戻れる話が出た時は、正直ホッとしました。「戻りたい」と思っていましたが、施設で迷惑をかけないか不安もありました。それでもスタッフの方々が「私たちが支えます」と迎え入れてくださったことで、安心感が一気に広がりました。

施設に戻った日、スタッフの皆さんが笑顔で「おかえりなさい」と声をかけてくださり、本当にほっとしました。その後の生活は、私の体調に合わせて少しずつ工夫していただきました。朝と夜には痛みが和らぐように鎮痛剤を調整してもらい、食事も無理なく取れるように栄養補助食品を併用してくださいました。雲仙の動画を見ながら体を少しずつ動かすリハビリでは、懐かしさが込み上げてきて自然と笑顔になりました。

入浴も最初は拒否してしまったものの、慣れたスタッフさんが私のペースに合わせて対応してくださり、気がつけばまた入浴ができるようになっていました。一つひとつ小さな変化を重ねる中で、少しずつ生活が落ち着いていきました。

ある日、大好きだったぬり絵を久しぶりに始めることができました。その時、「また自分らしい生活が戻ってきた」と心から感じました。入院前には当たり前だった日常が、こんなに大切で幸せなものだったのだと改めて思いました。

私のためにここまで丁寧に対応してくださるスタッフの方々には感謝の気持ちでいっぱいです。私の生活を支えてくれるこの場所は、私にとって安心できる大切な家のような存在です。これからも自分のペースで、ここで穏やかに過ごしていきたいと思っています。

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