お役立ちコラム

今後確実に訪れるとされている超高齢化社会に対応するため、介護のカタチは徐々に変化してきています。地域包括ケアシステムの構築も、そうした変化のひとつです。地域包括ケアシステムは2005年に改正された介護保険法において提唱されたもので、今後の介護保険事業の基幹として注目されています。しかし、個人レベルではまだまだ浸透しておらず、どういったものであるか知らないことも珍しくありません。

そこで今回は、地域包括ケアシステムの特徴やメリットなどについてご紹介します。

 

■地域包括ケアシステムとは?

少子高齢化への対応策として政府が打ち出したこのシステムは、要介護の高齢者に対して、その家族だけでなく、医療機関や介護サービスなどを含めた地域全体で包括的にサポートしていこうという仕組みです。2025年以降は約800万人の団塊の世代が75歳以上になるため、このようなケア体制の充実化が声高に叫ばれています。

 

多くの高齢者にとって慣れ親しんだ環境を離れることは、大きなストレスの原因になります。そのため、日常生活圏域(30分程度ですべてのサービスにアクセスできることが基準)で、生活における主な5つのサービス(生活支援、医療、介護、要介護にならないための予防、住まい)を提供できるよう考え出されたのが、この「地域包括ケアシステム」なのです。システムが循環するよう、全国に4,000を超える「地域包括支援センター」が配置されています。

 

■地域包括ケアシステムが目指すもの

地域包括ケアシステムが目指すのは、前述した5つの視点における介護保険のサービスを、特別養護老人ホームなどの施設だけでなく自宅を中心とした日常生活圏域でも完結させることです。若者ひとりが高齢者ひとりを支えられるようになると予測される2050年に向け、在宅ケアが行いやすい環境を作ろうとしています。

このシステムはまだ発展途中ですが、すでに施行されている制度では「小規模多機能型」と呼ばれるショートステイや訪問介護、デイサービスを兼ねた複合型サービスがあります。入所型施設と隣接されているところも多く、地域に根ざした活動を推進していこうという動きが確かに感じられます。

 

厚生労働省が介護を受ける本人とその家族に向けて行った調査(2008年発表)によると、介護の希望としては「家族に依存せず受けられる在宅介護サービス」と、「介護サービスと家族によるケアを組み合わせた在宅ケア」が上位を占め、施設や医療機関への入所希望は一割弱と少数派でした。この調査結果から、地域包括ケアシステムが実際のニーズに合った取り組みだということがわかります。

 

■地域包括ケアシステムのメリットは何?

地域包括ケアシステムのメリットとしては、主に2点があげられます。1点目は、下記の5つの介護保険サービスが地域内で上手く循環することにより、将来の介護における人手不足を補えるという点です。介護の人手が足りないことは、現在でも問題視されています。2点目は、在宅ケアを希望する実際のニーズに合った介護サービスを提供できるという点です。ニーズを満たすことで被介護者の精神的な負担を軽減することができ、健康寿命を伸ばすことができます。

 

・「生活支援(買い物、見守り、配食などの生活習慣における支援)」
・「住まい(一定の生活水準を満たした住環境の確保)」
・「予防(要介護になるのを避ける、または自立支援型介護の推進)」
・「介護(臨時でも対応できるよう24時間巡回型訪問介護サービスなどの充実化)」
・「医療(訪問看護やリハビリ、介護職員による医療行為のトレーニングの強化。また24時間巡回型訪問看護サービスを機能させ、在宅医療を可能にする)」

 

 

統計的な不足を補うという働きだけでなく、実際に介護を受ける本人とその家族の声を取り入れた「地域包括ケアシステム」は、地道な取り組みにより「介護の新たなカタチ」として今後も成長を続けていける制度です。医療機関や地域など、それぞれが連携して介護を行っていくことで、今後訪れる超高齢化社会にも対応することができるでしょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長