お役立ちコラム

高齢者の死因として最も多いのが、悪性新生物、いわゆるガンです。10万人当たりの死亡数は約930で、2位の心疾患の2倍ほどの数値です。3位は肺炎で、4位に脳血管疾患、5位に不慮の事故と続きます。

こうした死因は誰にでも起こりうるものですが、特に不慮の事故は今すぐにでも起こる可能性があります。代表的なものとしては交通事故がありますが、高齢者の場合はその限りではありません。高齢者の場合はむしろ、自宅のなかに危険が潜んでいます。

 

■高齢者の不慮の事故は自宅で起きる

高齢者は足元がおぼつかなくなり、少しの段差でも足が上手く出ないことがあります。厚生労働省の発表では、高齢者(65~79歳)の不慮の事故の種類別にみた死亡数は、交通事故よりも転倒・転落が多いとされています。

さらに不慮の事故の内訳をみてみると一番割合を占めているのは溺死・溺水といった水の事故で、次に不慮の窒息、そして転倒・転落が入ります。

溺死・溺水は自宅のお風呂場で、不慮の窒息は誤嚥による気道閉塞、そして転倒や転落は自宅のどこでも起きる要素があります。

 

これらは気をつけていれば防ぐことができる事故ですが、一人暮らしや一般の自宅では完全に防ぐことが難しい場合もあります。普段であれば慎重に歩くのにもかかわらず、住み慣れた家だとどうしても油断をしてしまいがちだということも事故の原因となるでしょう。

 

■不慮の事故を防ぐ対策をする

不慮の事故を防ぐためには、以下の方法が考えられます。

 

・住宅型有料老人ホームに入居する
住宅型有料老人ホームとは、民間が経営している老人ホームで、自立して生活することができる人が主に入居します。部屋は個室になっており、まるでアパートのような気分で生活できます。重度の介護が必要というわけではないけど不慮の事故が不安だ、という場合にぴったりです。

住宅型有料老人ホームは幅広い人に対応していて、介護が全く必要ない人でも介護が必要な人でも入居できます。入居者の身体状況をよく理解しているので、未然に事故を防ぐようにサポートしてくれます。また、必要に応じて外部の介護サービスが利用できるため、介護が必要な状況になっても安心して任せることができます。

 

・自宅をリフォームする
自宅のリフォームには費用がかかります。そのため、高齢者が自宅のリフォームをしやすいように補助金制度が整っています。

住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度では、高齢者のいる家庭で転倒・転落を防止する目的として自宅のリフォームを行う場合、低金利で融資を受けることができます。高齢になり、住み慣れた家で事故に遭い寝たきりになってしまう人も少なくない今、この制度は高齢者がいる家庭にとって有用であるといえます。

 

■老人ホームとリフォームどちらがよいのか

住宅型有料老人ホームへの入居と自宅のリフォームは、どちらも高齢者の不慮の事故を防ぐうえで有効な手段です。どちらを選ぶべきかは、さまざまな条件によって変わります。

 

・一人暮らしなら老人ホーム
一人暮らしをしている人は、老人ホームに入居するほうがよいでしょう。急な体調不良や自宅で事故が発生してしまったときに、ひとりでは対応しきれないからです。

また、一人よりも数名と共同生活をしたほうが、生活が豊かになると考えている利用者もいます。

 

・二世帯住宅ならリフォーム
二世帯住宅で暮らしている場合は、1階だけリフォームするという手もあります。将来的に次の世代も利用できるので、無駄になることはありません。

 

・介護が必要なら老人ホーム
すでに介護保険の適用を受けている場合は、老人ホームへの入居のほうがよいでしょう。生活の基本動作すべてにサポートをしてくれるので、自宅で生活するよりも快適に過ごすことができます。

 

どちらにも一長一短があるため、すぐには決めかねると思います。最後は入居される方の家族の意見やお金との相談になります。

しかし、不慮の事故は私たちの生活のすぐ隣に潜んでいて、注意していても発生してしまう危険性があります。不慮の事故を防ぐという意味では、リフォームよりも老人ホームへ入居したほうが、安全な環境で生活できるといえるでしょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長