お役立ちコラム

日本の介護保険制度は、2000年からスタートしました。この介護保険制度を利用すれば、介護にかかる費用を大幅に抑えることができます。適用条件があるため誰でも利用できるというものではありませんが、要介護者の家族にとっては嬉しい制度だといえます。

これまでの介護保険制度では、介護サービスにかかる費用の1割を利用者が負担するシステムでした。しかし、国全体の介護費用が年々増えた背景もあり、介護保険制度自体が存続できなくなる可能性が出てきました。そこで、2015年4月から「改正介護保険制度」が段階的にスタートしました。この改正介護保険制度では、条件によって利用者の負担額が2割になります。

 

負担額が2割になる条件とは?

前述したとおり、2015年に介護保険制度が改正されたことによって、一部の利用者の負担額が1割から2割に増えました。自己負担が2割となる条件には、利用者の所得が関わっています。

自己負担額が増加する条件は、「年間所得が160万円以上であることです。ただし、これは収入の種類や家族構成などによっても異なります。以下では、より具体的な例をご紹介します。

 

単身世帯
単身世帯の場合、介護サービス利用者の年間給与所得が160万円(年金収入のみなら280万円)を超えると自己負担が2割となります。ただし、年金収入とその他の合計所得金額の合計が280万円未満なら、1割のままです。たとえば、年金収入だけで280万円の場合は2割負担となりますが、給与所得160万円+年金収入79万円の場合は1割負担のままなのです。

2人以上の世帯
2人以上の世帯の場合、世帯収入が346万円を超えると自己負担が2割となります。たとえば夫の年金収入が280万円、妻の年金収入が0円の場合、単身世帯の場合で考えると負担額が2割になりますが、2人以上の世帯であるため負担額は1割になります。ただし、夫の年金収入が280万円、妻の年金収入が66万円で世帯収入が346万円となった場合、夫は2割負担となります。

このように、自己負担額の条件は少しややこしいため、厚生労働省が公開しているリーフレットなどを参考にするなど、各自で確認しておきましょう。

 

その他の改正ポイント

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自己負担額以外にも、2015年の介護保険制度の改正にはいくつかの変更ポイントがあります。

たとえば、要支援1・2の人を対象とした給付サービスの一部は、市町村の事業に移行されました。移行されるサービスは、「予防訪問介護」と「予防通所介護」の2つです。

改正前の介護予防給付制度では、利用者が使った分の給付が行われましたが、市町村の事業では利用額の上限が決まっています。

また、特別養護老人ホームの入所条件が原則として要介護3以上に変更されたのも、改正の大きなポイントです。これは、要介護1・2の入所者が少なくなった背景をうけての改正です。あくまでも原則であるため、場合によっては特例的に入所することができます。

そして、サービスの改正のひとつに、「小規模型の通所介護が3つに再編されたこと」があります。これまでひとくくりにされていた小規模型通所介護は、地域密着型通所介護、小規模多機能型のサテライト事業所、通常規模・大規模型のサテライト事業所の3つに分けられました。地域密着型通所介護は地域密着型サービスに位置づけられるため、都道府県ではなく市町村が事業者指定を行います。

 

介護保険の改正には注目しておこう

このように、2015年に行われた介護保険制度の改正では、さまざまな部分が変更されました。なかでも自己負担額の変更は、介護保険制度を利用する人にダイレクトに影響する改正ポイントです。知らないうちに自己負担額が上がっていた、というケースもあるため、ご自身の自己負担額がいくらであるかはよく確認しておきましょう。

また、これから先も介護保険制度の改正は続いていくことが予想されます。介護保険を利用している人、利用することが予想できる人は注目しておくといいでしょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長