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お役立ちコラム
2025年5月1日
介護が必要でも一緒に行ける!家族の思い出を叶える“介護旅行サービス”のススメ
家族での旅行は、思い出を作る大切な時間です。しかし、介護が必要な家族がいると、「もう一度、一緒に旅に出たい」と思っていても、旅行のハードルが高く感じられるかもしれません。そのような方々にぜひ知っていただきたいのが、介護旅行のサービスです。
介護旅行は、介護が必要な方でも安心して旅を楽しめるようにサポートしてくれるため、家族全員で素敵な思い出を作ることが可能です。この記事では、介護旅行の魅力や利用のポイントをご紹介します。
目次
介護中の家族との旅行で利用したいサービス
介護が必要な方との旅行も、専門のサービスを活用すれば、ぐっと現実的になります。ここでは、介護中の家族との旅行で利用したいサービスを3つ紹介します。
トラベルヘルパー
トラベルヘルパーは、介護が必要な方の外出をサポートする専門家です。旅行に関する知識だけでなく、介護技術も備えているため、要介護者の旅行を適切に手助けしてくれます。これにより、健康に不安がある方や身体が不自由な方でも安心して旅行を楽しめるようになります。
トラベルヘルパーへの依頼は旅行だけに限りません。介護を要する方との日常的な外出はもちろん、結婚式や同窓会への出席などもサポートしてくれます。なお、利用の際はケアマネジャーや地域包括センターへの問い合わせが必要です。
トラベルヘルパーを活用すれば、介護中でも大切な家族と一緒に思い出を作れます。
介護タクシー・福祉タクシー
介護タクシーや福祉タクシーとは、要介護者を目的地まで送迎するサービスのことです。介護が必要な方が安心して目的地まで移動するうえでは、重要なサービスといえます。
介護タクシーは、ケアプランに基づき申請して利用するサービスで、介護保険が適用されるため比較的低料金で利用できます(介護保険タクシーと呼ばれる場合もある)。ただし、要支援者は対象外となり、要介護者以外の同乗は原則認められないため注意しましょう。
福祉タクシーとは、車椅子に乗ったまま利用できるタクシーのことです。利用に際して届出などは必要ありません。利用料金に介護保険は適用されないため、注意しましょう。福祉タクシーの場合は、要支援者や付き添いの方も同乗可能なため、移動中の介助が必要な場合に有用です。
旅行先で状況に応じてこれらのタクシーを活用すれば、介護中の家族も気軽に旅行を楽しめるようになるでしょう。
介護旅行サービス
介護旅行サービスは、旅行会社が提供している要介護者のための旅行プランです。要介護者とその家族が安心して旅行を楽しむための特別なプランを提供しています。
このサービスでは、旅行会社がバリアフリーの宿泊施設を選定し、介護タクシーの手配も行います。また、夜間の見守りや必要な介助を受けられるため、安心して旅行を楽しめるでしょう。
さらに、看護師による医療管理が含まれているプランもあり、体調の不安を抱える方でも安心です。介護旅行サービスを活用して旅行を計画する際には、まずケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。
介護旅行サービスの種類
介護旅行サービスでは、介護が必要な方とその家族が安心して旅行を楽しむためのサポートを提供します。大きく分けて、パッケージ型とオーダーメイド型の2種類があります。
ここでは、それぞれの特徴について詳しく説明します。
パッケージ型介護旅行
パッケージ型介護旅行とは、旅行会社やトラベルヘルパー会社などが提供する、介護サービス付きの旅行プランです。このタイプの旅行では、移動手段や宿泊施設、介助サービスがセットになっており、事前に決められた旅程に沿った旅行を楽しみます。
一般的なパッケージツアーとは異なり、団体で大型バスを利用する形式ではなく、個人旅行として申し込むシステムです。他のグループと一緒に行動するのではなく、ミニバンのような車を利用して移動することが多く、プライベートな時間を確保しやすくなっています。
パッケージ型介護旅行は、オーダーメイドでプランを作るのが難しい方にとって、有力な選択肢といえます。
オーダーメイド型介護旅行
オーダーメイド型介護旅行は、要介護者や同行者、家族の希望をしっかりとヒアリングしたうえで、希望に沿った内容で旅程を作成するサービスです。行きたい場所や日程を自由に設計できるため、旅行者一人ひとりのニーズに合わせたオリジナルの旅行を叶えられます。
このサービスを利用するメリットは、何よりも希望に合った旅行ができることです。また、トラベルヘルパーが同行してくれる場合、同行者の負担も最小限に抑えられ、心身ともに余裕を持って旅行を楽しめます。
さらに、オーダーメイド型介護旅行では、遠方の旅行に限らず、結婚式やお葬式などの冠婚葬祭、日帰り旅行の付き添いにも対応可能です。行きたい場所がすでに決まっている方や、宿泊施設にこだわりがある方に特におすすめの選択肢といえます。
介護旅行サービスを利用するメリット
介護旅行サービスを利用することで、要介護者の安心・安全が確保されるほか、付き添う家族の負担を軽減できます。また、要介護者との旅行で問題となるバリアフリー対応や旅行中のトラブルをプロに任せられる点もメリットです。
ここでは、介護旅行サービスを利用するメリットを3つ紹介します。
要介護者の安心と安全
介護旅行サービスを利用することで、要介護者の安心と安全を確保できるようになります。介護旅行において要介護者の安心と安全を確保するためには、プロのサポートが不可欠です。介護旅行サービスでは、旅行中のさまざまな場面でサポートを提供し、要介護者の身体的な負担を軽減します。
食事や排泄、更衣などの日常生活の介助はもちろん、移動時のサポートや夜間の見守り、健康状態の管理まで幅広く対応してくれます。介護旅行サービスを利用すれば、要介護者が安心して旅行を楽しめるようになるでしょう。
付き添う家族の精神的・肉体的な負担軽減
介護旅行サービスは、さまざまなサポートを提供してくれるため、付き添う家族の負担が大幅に軽減されます。また、要介護者に合った福祉用具のレンタルも手配してくれるサービスもあります。必要な福祉用具を用意してくれるため、家族の負担軽減にもつながるでしょう。
レンタル可能な福祉用具としては、次のようなものが挙げられます。
- 車椅子
- 歩行器
- 杖
- 体位変換器
- 歩行補助用具
- 排泄補助用具
- 入浴補助用具 など
レンタルできる福祉用具は、依頼する会社や施設によって異なるため、事前に確認が必要です。
観光地・宿のバリアフリー対応・トラブルもプロにおまかせ
介護旅行では、観光地や宿のバリアフリー対応が欠かせません。介護旅行のプロとして、バリアフリー対応の宿泊施設や観光地の手配はもちろん、車椅子のまま移動できる交通機関の手配もお任せできます。
たとえば、車椅子リフト付きの車や車椅子対応の電車、個室の手配、さらには飛行機や介護タクシーの手配も可能です。
また、旅行中のトラブル回避やスケジュール管理も任せられる点もメリットです。介護旅行サービスでは、要介護者にとって危険な可能性がある現地の情報を把握しているため、トラブルを回避しやすくなります。万一のトラブル発生時には迅速に対応してくれるため、安心して旅行を楽しめるでしょう。
介護旅行サービスを利用することで、無理のないスケジュールで観光地を巡れるようになったり、各地の見学所要時間や道路状況も教えてくれたりするなど、多くのメリットを得られます。
介護旅行サービスの料金について
介護旅行サービスの料金は、基本料金やオプション料、利用者や家族の旅費などで構成されています。また、基本料金やオプション料はサービスを提供する会社によって異なるため、実際に介護旅行サービスを利用する際は、事前に見積もりを取って予算に合わせたプランを練りましょう。
ここでは、介護旅行サービスの料金について解説します。
基本料金の相場
介護旅行サービスの基本料金は、付き添いサービスを受ける場合、1日8時間の同行でおおよそ2万〜4万円程度が目安です。ただし、料金は付き添うスタッフの資格や経験によって異なるため注意しましょう。
たとえば、看護師による看護サービスを希望する場合、料金が高額になることがあります。また、要介護度によっても料金が変動し、要介護度が重くなるほど費用は割高になる傾向があります。
さらに、どういったサービスが基本料金に含まれるのか、事前に確認することが大切です。
オプション費用
介護旅行サービスを利用する際、基本料金に含まれるサービス内容を確認し、必要に応じてオプション費用を考慮することが大切です。
主なオプション費用には、規定時間の超過や入浴介助、同室宿泊、夜間介護、スタッフの性別指名、旅程作成代行などがあります。たとえば、入浴介助や夜間介護を希望する場合には、それぞれ追加費用が発生します。
どのサービスが基本料金に含まれているのか、追加費用が必要な項目は何かを事前に確認して利用する介護旅行サービスを選ぶことが大切です。
事前見積もりの重要性
介護旅行を計画する際には、事前に見積もりを取ることが重要です。介護旅行サービスを利用した旅行では、サービスを利用する基本料金やオプション料金に加えて、利用者や家族の旅費が実費としてかかります。
さらに、付き添いスタッフの旅費や介助サービスの利用料金、場合によっては旅程の作成費用や保険料なども発生します。これらすべてを考慮し、どれくらいの費用がかかるのかを事前に確認しておくことが必要です。
また、基本料金やオプション料金の額は、サービスを提供する会社によって異なるため、複数の事業者から見積もりを取り、旅行プランの相場を把握することも重要です。安さだけで選ぶとサービスの質に影響が出て、満足のいく旅にならない可能性があります。
満足のいく介護旅行を実現するためにも、事前に見積もりを複数取って、納得のいく業者に依頼するようにしましょう。
介護旅行を計画する際のポイント
介護旅行を成功させるためには、事前の計画が重要です。計画編、持ち物編、施設選びのポイントの3つの視点で介護旅行を計画する際に押さえておきたいポイントを紹介します。
計画編
介護旅行を計画する際には、まずゆとりを持った旅行計画を立てることが重要です。要介護者との旅行は、通常よりも時間がかかることが多いため、急ぎすぎると怪我やトラブルの原因になりかねません。旅行計画には、トイレ休憩が取れる場所を多めに設定し、渋滞を想定したスケジュールを組み込むことが大切です。また、立ち寄り施設では余裕を持った滞在時間を確保しましょう。
次に、宿泊施設や立ち寄り施設への確認も忘れずに行いましょう。要介護者の体の状態について事前に伝えておくことで、当日のスムーズな対応が期待できます。たとえば、施設内で車椅子が使えるか、エレベーターの有無、レンタル可能な福祉用具の有無、食事スタイルの確認などを事前に行っておくと安心です。
さらに、旅行先の医療施設の確認も欠かせません。突然の体調不良や怪我に備えて、すぐに診察を受けられる医療施設をあらかじめ調べておくようにしましょう。どの医療機関を受診するべきかわからない場合は、かかりつけ医に相談するのがおすすめです。
持ち物編
介護旅行において、持ち物の準備は重要です。特に、旅先で急に体調を崩した場合に備えて、保険証やお薬手帳を必ず持参しましょう。
お薬手帳があれば、普段服用している薬の種類がすぐにわかるため、医療機関での状況説明がスムーズになります。また、アレルギーを持っている方は、特に薬に関する情報を忘れずに持参することが大切です。また、保険証があれば、旅先の病院で保険適用料金で診察を受けられるため、費用面での不安も軽減されます。
旅行を楽しむためにも、しっかりと準備を整えて出発しましょう。
施設選びのポイント
施設選びの際には、要介護者の身体状況に応じたバリアフリー対応になっているかを確認しましょう。
車椅子を利用する場合は、洋室でベッドがある宿泊施設が適しています。車椅子のままベッドの隣まで移動でき、寝起きがしやすくなるためです。さらに、部屋で食事ができるか、多目的トイレや浴室があるかも確認しましょう。
立ち寄り施設では、車椅子対応のトイレやオストメイト対応の有無を確認し、事前に連絡しておくとスムーズです。また、状況に応じて乗り物を変えることも念頭に入れておきましょう。長距離を歩くのが難しい場合には、適切な乗り物を手配し、タクシー会社の連絡先を確認しておくと安心です。
介護旅行における注意点
介護が必要な家族と一緒に旅行を楽しむためには、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。旅行中は普段と異なる環境であるため、急な体調不良が起きる可能性があります。
また、認知症の方は、新しい場所や環境の変化がストレスとなることがあるため、安心できるサポート体制を整えることが重要です。
介護旅行における注意点を2つ紹介します。
急な体調不良を想定しておく
旅行中は、普段とは異なる環境や気温変化によって、要介護者が急に体調を崩す可能性があります。そのため、体調不良を想定した準備が重要です。
日頃から服用している薬を忘れずに持参したり、旅行先の近くにある病院や医療施設を事前に調べておいたりするようにしましょう。また、旅行先は自宅や介護施設などと比べて怪我や転倒のリスクが高まるため、同行者の最善の注意を払うことが重要です。
記憶障害を起こす恐れがある
認知症を抱える方との旅行では、記憶障害による混乱が生じる可能性があるため注意しましょう。旅行中、特に移動中や朝目覚めた際に、自分がどこにいるのかわからなくなることがあります。これにより、本人だけでなく、付き添う家族も不安を感じてしまいます。
そのため、こういった状況が発生した際に迅速に対応できる準備をしておくことが重要です。たとえば、本人が安心できるような環境を整えたり、常に安心感を与えられるような言葉掛けを心掛けたりするようにしましょう。
また、旅行先でのスケジュールや場所を本人にわかりやすく説明し、安心感を持ってもらう工夫をすることも有効です。
介護旅行サービスを利用して素敵な思い出を作ろう
介護旅行サービスを利用することで、介護が必要な家族とも安心して旅行を楽しめます。これらのサービスでは、介護系資格を持ったスタッフが旅行先での不安を細やかにサポートしてくれるため、付き添いの家族も安心です。
介護旅行サービスを検討中の方には、あなぶきの介護旅行がおすすめです。日頃から介護施設で働く介護系資格を持ったスタッフや、国内旅程管理主任者資格を持つ介護添乗員が、旅行準備から帰宅まで安心して旅を楽しめるようにサポートを行います。
介護旅行サービスを上手に活用して、家族全員で素敵な思い出を作りましょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝
2011年 4月 入社 事業推進部 配属
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長
2023年 10月 常務取締役 兼 事業本部長 兼 事業推進部 部長