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お役立ちコラム
2024年6月15日
夜勤明けで眠れないときの対処法!睡眠の取り方や仮眠のコツなどを解説
夜勤では、決められた業務をこなしながら、何が起こるかわからない状況にも少ない人数で対応しなくてはならない緊張感があります。勤務時間も長いため、夜勤明けは疲れがピークに達し、眠れないことも多いようです。シフト制であれば定期的に夜勤に就かなくてはならず、なんとかうまく対処する必要があるでしょう。
この記事では、夜勤明けの眠れない状況にうまく対処する方法や夜勤前後の睡眠の取り方、役立つグッズなどを紹介します。
目次
夜勤明けで眠れない人におすすめの対処法
夜勤明けで眠れないという状況でも、人間の身体の性質を活かして対処法すれば、改善できる可能性があります。ここで紹介するのは、代表的な対処法です。1つだけでなく複数の組み合わせで効果があるかもしれません。効果的と思えるものから、まずは試してみましょう。
暗く静かな環境で寝る
人間が眠るためには周囲が暗く、静かな環境が適しています。しかし夜勤明けの時間は、朝から昼の明るい日中です。うまく睡眠を取るには、眠るための環境を整えましょう。
人間には、睡眠や食事などのタイミングを計る体内時計というしくみがあります。この体内時計は、陽光を浴びると身体を活動できるよう覚醒させます。夜勤明けに眠るときは、遮光カーテンなどで部屋に入る太陽光を遮断し、体内時計に「今は夜だ」と錯覚させましょう。
快適な睡眠には、静かな環境も必要です。ただ夜勤明けの日中は自動車の通行音や人の話し声などで騒がしいため、気になるときは耳栓などで静かな環境を整えましょう。
寝たまま瞑想やヨガをする
夜勤明けの睡眠には、寝た姿勢のままできるヨガや瞑想が効果的です。
たとえばヨガは、深い呼吸によって副交感神経を優位にし、身体をより深いリラックス状態に導いてくれます。いつ寝落ちしてもいいように、次のようなヨガを横になったまま試してみましょう。
- 横たわった合せきのポーズ:胸を開くため、深い呼吸がしやすい
- 壁に脚を上げるポーズ:心拍変動を高め、副交感神経系を活性化する
- 亡骸のポーズ:身体のすべての筋肉をリラックスさせ、呼吸に集中しやすい
ほかにも効果的なポーズはあります。ぜひ自分に効果のあるポーズを探してみましょう。
また瞑想も、睡眠に大きく影響する自律神経の調整に役立ちます。とくにマインドフルネスは、さらにストレス解消にも効果があると証明された手法です。
寝た姿勢のままできる瞑想法もあります。「呼吸瞑想」は、明るすぎない静かな場所で目を閉じ、息を吸うときは鼻から5秒「ソー」という呼吸音に、吐くときは鼻から5秒ほど「ハーム」という呼吸音に意識を向けます。忙しいほどおろそかにしがちな呼吸を整えることで、身体全体をリラックスさせる方法です。夜勤明けの疲れた身体にも、比較的取り入れやすい方法といえるでしょう。
目元を温める
夜勤明けは、神経が高ぶった状態です。目元を温めることで副交感神経を優位になり、体がリラックスしやすいといわれます。
目元を温めるときは、蒸しタオルや使い捨てのアイマスクが効果的です。小さめのタオルを水に浸し、600Wの電子レンジで30〜40秒ほど温めるだけで簡単に蒸しタオルになります。薬局などで使い捨てのアイマスクなら準備も必要ありません。
このほか首の後ろを温めても、リラックスできるといわれています。夜勤明けに限らず、目や神経が疲れたと感じたときはぜひ試してみたい手法です。
寝る前にブルーライトを浴びない
昨今、スマートフォンやタブレットを使ったことがない人は少ないでしょう。スマートフォンやタブレットが画面から発するブルーライトには、人間の身体を覚醒させてしまう効果があるといわれ、寝る前に見てしまうと睡眠を妨げる原因になる可能性があります。
夜勤明けに速やかに眠りたい場合は、スマートフォンやタブレットの使用をやめ、目を休ませることが大切です。
ぬるめのお風呂に入る
睡眠の質を上げるには、体温を調整できる「入浴」も役立ちます。しかしひどく疲れているときは、42度以上の熱いお風呂に入ると交感神経が刺激されてしまい、ますます眠れなくなるためおすすめできません。
お湯は38〜40度のぬるめにすれば、逆に副交感神経が刺激されリラックスできるでしょう。眠りにつきやすいだけでなく、睡眠の質も深く良質なものにできます。ほどよく血行を促進するため、夜勤の疲れも取れやすくなるでしょう。
入浴には、好みの香りの入浴剤を使うとよりリラックスできます。脚や手・指など、疲れているところをマッサージするのも効果的です。頑張った身体をしっかり労わってあげましょう。
寝る前に食事をしない
夜勤明けでしっかり眠りたいときは、寝る前に食事をしないことも重要です。夜勤明けは空腹を満たすため寝る前に食事しがちですが、食事の後すぐに寝ると食べたものを消化しようと胃腸が活動するせいで眠りが浅くなったり、かえって疲労してしまう可能性があります。しっかり眠りたいのであれば、入眠する3時間前までに食事を済ませておくことが大切です。
どうしても食事を摂りたいときは、夜勤前と夜勤中の食事にも配慮し、バランスが良く消化にも良いものを選びましょう。消化が良ければ胃腸の働く時間を短くできるため、より良質の睡眠を取りやすくなります。消化の良い食事であれば、コンビニのお弁当や食品でも構いません。野菜スープのような温かいものと一緒に摂ると、より効果的です。
あえて活字の多い本を読む
夜勤明けで寝つきが良くないときは、あえて活字の多い本を読むと眠りやすくなるときがあります。ただそのときはスマートフォンなどを使った「電子書籍」ではなく、紙に印刷された本を選びましょう。電子書籍ではスマートフォンなどのブルーライトが眠気を妨げてしまう可能性があります。
このときは本の内容を「理解しよう」「楽しもう」としなくても構いません。楽しみにしている本だと、無理をしてでも読みたくなってしまうため逆効果です。少し難しくて読むのを諦めてしまった専門書や教科書、買ったものの読むのをあきらめた本のほうが、ただ活字を目で追うだけで眠くなる効果が期待できます。
カフェインやアルコールを摂取しない
カフェインやアルコールのはいった飲み物や食べ物には、人間を覚醒させる効果のある物質が含まれています。夜勤明けに眠りたいときは、これらは摂取しないようにしましょう。
温かい飲み物は寝る前に一度体温を上げ、下がるときに眠りやすくなるため有効です。白湯や、ヨーロッパで不眠症対策に効果的なカモミールティーは寝る前に飲むと寝つきが良くなる効果が期待できます。一緒にヒーリングミュージックなどリラックスできる音楽を聞くと、より寝つきが良くなるでしょう。
夜勤前後で心がけたい睡眠の取り方
夜勤の前後は、睡眠を含めた生活のリズムが変わりがちです。なかには対策として、夜勤の前後の習慣を変えているという方もあるでしょう。適した対処法は人それぞれですが、より一般的にいえば、夜勤前後で心がけたい睡眠の取り方にはポイントがあります。
ここでは夜勤前後での睡眠を、種類とタイミングごとに詳しくみていきましょう。
夜勤の前日は通常通りの睡眠を取る
夜勤の前日は、通常通りの睡眠を取りましょう。たとえば「夜勤では眠れないから」と寝だめをしてしまうと、睡眠のサイクルが大きく変わってしまい、それ以外の生活のリズムまでが乱れてしまう原因になります。夜勤明けに眠れないだけでなく、その後の慢性的な睡眠不足にもつながりかねません。
睡眠不足は長く続くほど、不眠症など深刻な睡眠障害になりやすいといわれています。夜勤前日だからと特別なことはせず、いつも通りに過ごすことが大切です。
夜勤前に仮眠を取る
夜勤中に眠気に襲われることが多い場合は、夜勤前に軽く2〜3時間程度の仮眠を取ると効果的です。人間の睡眠は、90分のサイクルで深いレム睡眠と比較的浅いノンレム睡眠を繰り返します。仮眠でも眠りの浅いノンレム睡眠のタイミングで目覚めるよう調整すれば、2〜3時間ほどの短時間でも質の良い睡眠が取れるでしょう。
また人間の脳の働きからいえば、朝目が覚めてから8時間後の眠くなりやすい頃に仮眠を取るのがおすすめです。勤務入りの時間や片付けたい要件などを加味して、時間を調整してみましょう。
夜勤中も仮眠を取る
夜勤中も、可能な範囲で仮眠を取ると疲労感を軽減できます。時間は勤務が複数で交代できるなら2時間程度、1人での勤務で交代できなくても20分程度を目安に検討しましょう。
仮眠が取れないときは無理に眠ろうとせず、ソファなどに横になって目を閉じるだけでも身体や神経を休めることができます。夜勤はただでさえ長時間にわたるのが通常です。ずっと神経を張り詰めていては体が保ちません。タイミングを見て適切に休息するよう努めたいものです。
夜勤明けの睡眠は3時間程度にとどめる
夜勤明けでいくら疲れがピークに達していても、明けてすぐの睡眠は3時間程度にとどめ、午後からはいつも通りの生活に戻すよう心がけましょう。睡眠を長く取れば、疲れが取れるとは限りません。あまり長時間眠ってしまうとその夜眠れなくなり、翌日以降の生活サイクルの乱れにつながる可能性があります。
疲れを取る方法は、人それぞれです。なかには「ひと汗かいたほうが体調が整う」逆に「体調がすぐれないときは無理をしない」など調整方法も違います。ここで紹介した基準も「目安の1つ」ととらえ、自身にとって効果的な対処法を見つける参考にしましょう。
夜勤中に上手に仮眠を取るコツ
夜勤中の仮眠は、体調に関係なく時間が決まっていることもあり、許された時間いっぱいを効率よく使うのは難しいでしょう。そこで必要になるのが、上手に仮眠を取るための対処法です。
ここでは、夜勤中の上手な仮眠の取り方を解説します。夜勤中の仮眠に課題を抱えている方は、ぜひ試してみてください。
仮眠する環境を整える
効率よく仮眠を取るためには、仮眠が取りやすい環境を整えることが大切です。夜勤ではいつ緊急事態が起こるかわかりません。あらゆる事態に素早く対応できるよう、変化に気づきやすい場所での仮眠が求められます。しかしそのような環境では、十分な仮眠は取れないでしょう。
仮眠を取る場所には、空調や気温、照明の強さが調整できること、清潔な寝具と十分な広さがあること、介護の現場から隔離されていることといった要素が必要です。もし十分でない場合は、必要に応じて施設の管理者などに相談し、確保する必要があるかもしれません。
仮眠に役立つグッズを用意する
仮眠でいちはやく眠りにつきたいのであれば、寝つきが良くなる次のようなグッズを用意しておくという方法もあります。
- 電子レンジで温められるアイマスク:仮眠するとき明るさを遮断するだけでなく目元を温めて眠りやすくなる
- 外部からの音を遮断するヘッドフォン:眠りに就くとき邪魔になる外部のノイズを軽減してくれる
- 寝つきを良くするアロマオイル:副交感神経に働きかけ、心身をリラックスさせる効果が期待できる
ただし、あまり眠り過ぎてしまわないよう注意が必要です。寝つきやすいだけでなく、時間になったらきちんと仕事に戻れるようなアラームなどのグッズも合わせて用意しましょう。
夜勤明けで眠れずつらいなら働き方を変えよう
さまざまな対処法を試してみても、やはり夜勤明けで眠れずにつらいと感じたら、働き方を変えることも考えてみましょう。夜勤のある介護施設では、夜勤もシフト制である場合が多く、日勤など夜勤以外のシフトと交代しなくてはならないことが原因なのかもしれません。
ここでは、介護施設での働き方例を解説します。
夜勤なしの勤務をする
まずは、「夜勤なし」という働き方です。介護施設だからといって、夜勤があるとは限りません。たとえばデイサービスや訪問介護では、日勤のみであることがほとんどです。「夜勤が合わない」「つらくてやめたい」と感じたら、夜勤のない職場への転職も検討してみましょう。
経験のない種類の施設への転職となると、不安に感じるかもしれません。そのときは事前の見学会で実際の様子を確認したり、契約期間が限られている契約社員や派遣社員として働いたりすると安心しやすくなります。
夜勤専従として働く
もう1つは、「夜勤専従」として夜勤のみ勤務するという働き方です。夜勤のつらさが「日勤との調整の難しさ」であれば、いつも同じ夜勤として働くことで調整せずにすみます。夜勤は日勤に比べ給料が高い傾向にあるため、より収入を得たい場合にも適した働き方です。また日勤にある入浴介助や日中のレクリエーションといった業務がないため、比較的仕事が覚えやすいという利点はあります。
夜勤専従は昼夜逆転の生活となってしまうため、生活リズムが乱れたり体調を崩したりしやすくなる点はデメリットです。施設によっては夜勤が1人だけという場合もあるため、日勤での仕事はひと通りこなすことが求められます。家族がいるのであれば、家族とのコミュニケーションが取りづらくなることについても十分検討する必要があるでしょう。
夜勤があるなら睡眠の取り方を工夫しよう
夜勤のある介護施設では、夜勤明けの過ごし方、とくに睡眠の取り方は重要です。睡眠は人間の生活に大きな影響を与えるだけに、できるだけスムーズに日勤のリズムに戻す必要があります。
夜勤明けで疲れた身体や神経を休めるには、ヨガや瞑想、ぬるめのお風呂での入浴などの対処法がおすすめです。できるだけリラックスした状態で、睡眠を取りましょう。
夜勤の疲れを取るためには、夜勤前後の睡眠や夜勤中の仮眠をうまく取る工夫が必要です。ここで紹介した対処法を参考に、負担をできるだけ減らせる自分なりの対処法をぜひ見つけましょう。
あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝
2011年 4月 入社 事業推進部 配属
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長