お役立ちコラム

5月は気候が良く、端午の節句や母の日などの記念日も多くあります。そのため介護施設ではレクリエーションを催しやすい時期です。ゴールデンウィークがあるので、家族や地域の方々も参加しやすいでしょう。この記事では介護施設の5月のレク事情を紐解き、レクのアイデアを紹介します。

最近の5月のレクリエーション事情

5月は1年のなかでも気候が良い上にさまざまな行事や記念日も多く、介護施設にとってはレクリエーションを企画しやすい時期です。ゴールデンウィークがあるおかげで家族や地域の方々も参加しやすく、多くの介護施設がこの時期にレクリエーションを実施する傾向があります。

ここからは、5月の最近のレクリエーション事情を紐解いてみましょう。

さまざまなイベントが5月にシフトしている

実は最近、介護施設における5月のレクリエーション事情に少々変化が見られるようです。

まず、年間の行事計画自体を見直す施設が増えている傾向にあります。従来介護施設の夏祭りや秋祭りなどの行事は、おおむね8月から10月頃に開催されていました。

最近では、小学校や中学校の運動会や体育祭が5月に開催されることが増えています。これは、猛暑を避けるためであり、同様に5月にお祭り系の行事を計画する施設が増えているようです。

実際に10月になっても夏日レベルの高気温の日が続くなど、かつてのように秋らしい季節の深まりになるとは限りません。

高気温下で屋外活動を行うと、高齢者の熱中症リスクがさらに高くなります。場合によっては、命にかかわるおそれもあるでしょう。

また、暑い中でイベントをおこなえば、介護スタッフの負担はますます大きくなります。介護スタッフは行事を進行させながら、利用者さんの適度な水分補給をサポートし、身体面での安全も確保しなければならないからです。

このようにさまざまなリスクを避けるため、お祭り系イベントを気候のよい5月にシフトする介護施設が増えています。

ゴールデンウィークは家族も参加しやすい

毎年恒例のゴールデンウィークは、仕事を長期で休める家族も多くなります。いつもなら介護スタッフと利用者さんだけのレクリエーションや行事も、ゴールデンウィークであれば家族にも参加してもらってさらににぎやかに開催できるでしょう。家族の参加はイベントを盛り上げる上に、いつも離れて生活している家族と利用者さんが一緒に楽しむ思い出が作れます。

また、普段は忙しくて訪問しづらい家族にとっては、介護スタッフとコミュニケーションをとる良い機会にもなります。ゴールデンウイークのイベントは、利用者さん・家族・介護スタッフのそれぞれにとって大きなメリットがあるのです。

レクリエーションに季節感を取り入れるメリット

日本は、四季の変化がはっきりとした国です。季節の移ろいをレクリエーションに反映させれば、利用者さんに五感で感じてもらうことができるでしょう。

なかでも大きなメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • メリット1.日々の生活に彩りと刺激をプラスできる
  • メリット2.レクリエーション参加のモチベーションになる

それぞれを見ていきましょう。

メリット1.日々の生活に彩りと刺激をプラスできる

多くの高齢者は、伝統文化や季節の行事、いろいろな習慣を生活のなかに取り入れてきました。

季節を感じられるレクリエーションは、加齢とともにあいまいになりがちな時間の感覚(見当識)を蘇らせることにつながります。日々の生活に彩りをもたらすことが期待できるでしょう。

メリット2.レクリエーション参加のモチベーションになる

人が何らかのアクションを起こすには、必ず理由があります。そういう意味では、単なるゲームや体操などのレクリエーションへの参加に積極的ではない利用者さんがいたとしても、季節の風物詩が関係するものには参加してくれるかもしれません。

なぜならそれは年配の方々にとって、暮らしの中に織り込まれてきた文化だからです。

そういう風に、季節感がある行事は風物詩としての文化背景を持っていることが多いので、利用者さんが参加するモチベーションとなることが期待できます。

5月の代表的なレクリエーション

5月にはさまざまな行事や記念日が控えていますが、介護施設などのレクリエーションでテーマにしやすいものを挙げると、主に以下のようなものがあります。

  • 5月2日:八十八夜
  • 5月5日:端午の節句
  • 5月6日頃:立夏(二十四節気)
  • 5月9日:メイクの日
  • 5月12日:母の日
  • 5月27日:百人一首の日

それぞれの概要を補足しておきましょう。

5月2日:八十八夜

高齢の利用者さんのなかには、5月が近づいてくると、思わず有名な「夏も近づく八十八夜」の茶摘みの歌を口ずさんでしまうという方もいるかもしれません。

このように春から初夏にかけて人気の歌は、たくさんあります。季節にぴったりの歌を使って、介護施設で高い人気を誇る歌レクリエーションなどはいかがでしょうか。カラオケの機材を使って、春ソングのカラオケ大会を企画したら、盛り上がるかもしれません。

皆で歌を歌ってストレス解消と機能向上

大きな声で歌を歌うと、心肺機能や脳が活性化して認知症ケアにも良い効果があると言われています。プラスストレス発散にもなるでしょう。

また、高齢になると衰えがちな嚥下機能なども含め、身体に良い影響を与える運動としても期待できます。

懐かしくて気軽に歌える、誰でも知っていて春を思い出させてくれる歌を選んで、楽しみましょう。

5月5日:端午の節句

5月の代表的な行事といえば、端午の節句が挙げられます。介護施設では、5月に兜を飾ったり鯉のぼりを上げたりするところが多いです。あるいは鯉のぼりの貼り絵を作って壁に飾るというパターンもあります。

色とりどりの紙をうろこに見立てて、模造紙や画用紙に貼っていくと、個性豊かな鯉のぼりの貼り絵が完成します。同じ下地でも、うろこの素材を変えるだけで違った印象を楽しめるでしょう。

うろこの部分を折り紙、コーヒーフィルター、紙皿などを工夫して用いると、より立体感がある鯉のぼりが出来上がります。アイデア次第で、さまざまな表情の鯉のぼりを制作できますよ。

菖蒲湯や柏餅、ちまきを楽しむ

端午の節句といえば、菖蒲湯も楽しめます。菖蒲湯に入って五感を刺激するのもよし、菖蒲湯のルーツや菖蒲湯の正しい入り方などをクイズにするのもよしでしょう。

端午の節句を祝う食べ物として、関東の柏餅や関西のちまきを食べるのもよいでしょう。新芽が出るまで古い葉を落とさない柏の木は、家督が途絶えないことになぞらえた縁起ものです。

また、ちまきは古代中国では邪気を追っ払うとされます。災いを遠ざける意味があるため、5月のレクリエーションにおすすめです。

高齢者と地域の子供との交流も有益

5月5日はこどもの日ですが、介護施設のレクリエーションの一環として、利用者さんたちと地域の子どもたちとが交流するのも良い企画です。

高齢の方々にとって、幼い子どもたちと関わることは精神に良い刺激になり、心の活性化につながります。子どもに関わることによって、認知症の周辺症状も落ち着く傾向があるなど、一定の効果が期待できると言われています。

地域の託児施設・保育所・幼稚園・子ども会などなどをリサーチして、交流の機会を相談してみましょう。

老若男女が一緒に楽しめる折り紙や手遊び歌、風船バレーのような簡単なアトラクションのほか、高齢者が子どもに教えられる生け花や伝承遊びなどもおすすめです。

通常ならレクリエーションを敬遠する利用者さんも、子どもたちと一緒なら、積極的に楽しめるかもしれません。

また子どもにとっても、高齢者との交流は心の発達に良い影響を与えます。お互いに得るところがある世代間の交流を、介護施設のレクリエーションに取り入れてみてはいかがでしょうか。

5月6日頃:立夏(二十四節気)

5月6日頃は二十四節気の立夏です。春から夏へと季節が変わりゆくタイミングで、体調管理にも注意が必要な時期といえるでしょう。

穏やかな陽光を浴びて外の空気を吸うこの季節の外出のレクリエーションは、利用者さんにも介護スタッフにも楽しみなひとときとなるでしょう。4月頃から強まっている紫外線には、対策が必要です。

また、それほど汗をかいていなくても熱中症のリスクがあります。こまめに水分補給したり、服装も脱ぎ着のしやすいものにして体温調節したりと工夫しましょう。

5月9日:メイクの日

5月は英語でMay(メイ)。その9日ということで、5月9日は「メイクの日」とされています。女性の利用者さん向けに、この日にメイク教室などのレクリエーションを企画してみるのもおすすめです。

女性にとってメイクは、気持ちを前向きにしてくれるものです。実際に高齢の方にメイクを施すとことにより、脳波が正常に近づいたり、ストレスホルモンが減ったり、認知症の周辺症状を軽減したりの効果が見られるようです。

化粧療法で筋肉を活性化

化粧品メーカーの調査によると、ファンデーションを塗ったり眉を描いたりすることは、食事をすることと比べて顔の筋肉を2倍から3倍使うようです。

スキンケアやメイクによって心身機能やQOLの向上を目指すことを「化粧療法」と呼びます。プロであるメイクセラピストにお願いするのもよいでしょう。

もしメイクが難しければ、ネイルで指先のおしゃれを楽しむのもおすすめです。マニキュアなどはそれほど費用がかからず、特に専門技術も必要ありません。みんなで色を選ぶだけでも、気持ちが華やぐのではないでしょうか。

爪のお手入れが心に与える影響も大きく、メイク同様に認知症の周辺症状が軽減したという調査報告もあります。

男性にとっても、鏡を見ながら身だしなみを整えて髪を整えたり、ひげを剃ったり、帽子などでおしゃれをすることは、心身ともに良い影響をもたらします。

このようにメイクの日には男女を問わず、みんなでおしゃれを楽しむレクリエーションを企画するのもおすすめです。

5月第2日曜日:母の日

5月の母の日には、男女ともに楽しめるカーネーションの工作などのレクリエーションはいかがでしょうか。

また母にちなんだ歌(例えば「かあさんの歌」など)を歌うことで、利用者さんたちが幼かった頃に母親と過ごした日々を思い出すかもしれません。

ひとりひとりの「母」にまつわる思い出話をしてもらうことで、記憶力を刺激する回想法としての効果もあるでしょう。

利用者さんの普段聞けない話が聞けたり、いつもは見られない一面が見えたりと、楽しいひと時を過ごせる機会となるでしょう。

5月27日:百人一首の日

鎌倉時代の5月27日、百人一首が完成したといわれます。誰もが幼い頃に遊んだことのある、百人一首をテーマにしたレクリエーションも良いものです。

かるた取りとして普通に遊ぶだけでも楽しいですが、「源平合戦」もチーム対抗で盛り上がります。源氏チームと平氏チームに分かれて向かい合って座り、多くかるたが取れたチームが勝ちです。また、絵札を使った坊主めくりも盛り上がるでしょう。

記念日以外の5月向けのレクリエーション

5月向けのレクリエーションは、季節の風物詩や記念日に絡ませなくてはならないということはありません。利用者さんと介護スタッフのみんなで連れ立って、動物園や植物園、博物館や大きな公園などにお出かけするだけでも、すがすがしい気候と相まって楽しいレクリエーションとなるでしょう。

ここでは動物園や植物園へのお出かけと、ガーデニングについて取り上げましょう。

動物園や植物園にお出かけ

4月は春らしい時期ですが、花冷えのような高齢者には外出がためらわれる肌寒い日も含まれます。5月になれば一転して暖かい日が続きますが、6月になると初夏の暑さが熱中症のリスクを高めます。

そのため、気候に恵まれている5月は動物園や植物園などの日帰り旅行気分のレクリエーションの実施にぴったりのタイミングです。

とはいえ、スタッフの人数などの事情で、みんなでの外出が難しい施設もあるでしょう。そのような場合は、天気の良い日に外に椅子を並べ、いつものレクリエーションをするだけでも気分が変わり、利用者さんのテンションも上がります。

ガーデニング

庭がある介護施設であれば、5月はガーデニングや菜園の植え付けレクリエーションに適した時期です。トマトやサツマイモ、枝豆などの野菜は、夏から秋にかけて収穫できます。

収穫の時期にも、収穫レクリエーションや採れたての野菜を使ったスイーツ作りなど、継続的にレクリエーションの題材になるでしょう。

園芸療法で心理面に良い影響を

何よりも園芸療法としての一面が、ガーデニングや菜園にはあります。自然に触れて植物を育てること、自分たちが植え付けをした花や野菜が成長してゆく姿を見ることは、高齢者にとって精神面の良い影響を与えます。

屋外で体を動かせば身体機能の活性化にもなりますし、普段は室内生活が多い利用者さんたちの気分転換になるなど、ガーデニングや菜園づくりには得るところが多いです。

介護施設に庭があれば、ぜひともガーデニングや菜園づくりは取り入れたいおすすめのレクリエーションといえるでしょう。

5月のレクリエーション・創作ゲームアイデア集

ここまでで5月のレクリエーションについて、季節の風物詩に関係する行事や記念日をテーマにしたレクリエーション、お出かけレクリエーションなどのアイデアと得られる効果などを紹介しました。

最後に、上記以外のレクリエーションのアイデアの項目名を紹介しておきます。気になるものがあれば、それをキーワードにしたネット検索で具体的なやり方が調べられますよ!

(五十音順)

  • アニマルセラピー
  • お茶会
  • おりがみで作る「あじさいの吊るし飾り」
  • 紙相撲
  • 5月旬の食材クイズ
  • 鯉のぼり体操
  • ししゃもゲーム
  • 常識クイズ
  • スポーツ体操
  • チョコペンで描く「こいのぼりクレープ」
  • テーブルゴルフ
  • 都道府県クイズ
  • 脳トレプリント
  • 棒サッカー
  • 抹茶が香る若鮎どら焼き
  • ひねって貼って「藤の短冊飾り」
  • みんなで作る壁面「尾瀬の水芭蕉」
  • みんなで作る壁面「天翔る鯉」
  • 連想ゲーム
  • 割りばしゴム鉄砲の的当て

5月のレクリエーションで利用者さんに笑顔と生きがいを!

12ヶ月の中で、さまざまな行事や記念日があります。気候も良くて外出に適している5月は、介護施設にとってさまざまなテーマでレクリエーションに取り組めるタイミングの一つでしょう。

熱中症対策やコロナ対策など、レクリエーションを企画するうえでいろいろと気をつける必要があります。しかし、利用者さんにとっては心身の活性化を図る機会がたくさんある5月を活用しない手はありません。

ここで紹介した情報を参考に、利用者さんの笑顔と生きがいを引き出す楽しいレクリエーションを企画しましょう!

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長