お役立ちコラム

DX(デジタルトランスフォーメーション)が加速度的に進む現代社会では、さまざまな分野でテクノロジーによる変革が進んでいます。少子高齢化という問題を抱えている時代ゆえに、DXによる変革の必要性は介護の現場も同様です。

とりわけ注目されているのが、介護ロボットといえるでしょう。一体介護ロボットは、なぜそんなに注目されているのでしょうか。今回の記事では介護ロボットの種類やメリットについて解説します。

介護ロボットはなぜ注目されるのか

介護ロボットが現在大変注目されています。まだまだ本格的な普及はこれからですが、各介護施設は導入のための検討に余念がありません。また、要介護者やその家族にとっても、非常に関心がある分野です。

そんな介護ロボットが注目される理由は、主に以下の2点が大きいと考えられます。

  • 理由1.今後の少子高齢化社会に欠かせない
  • 理由2.高齢者の自立支援に役立つ

それぞれの理由を、詳しく見ていきましょう。

理由1.今後の少子高齢化社会に欠かせない

少子高齢化社会が進む中で、多くの業界で人材不足が叫ばれています。介護の領域に目を向けてみると、高齢者の数に比べて介護者が非常に不足しているのが現状です。そのため、介護ロボットは今後の社会に欠かせない要素です。

なぜなら、介護ロボットが普及することによって介護事業に携わる人材不足を緩和できます。また、現場で働く人たちの負担軽減に役立つと期待できるでしょう。

厚生労働省によれば、日本の人口の中で75歳以上の高齢者が占める割合は2040年には35.3%に上るとされています。そのため「2025年度末までに約55万人の介護人材を確保する必要がある」というのが厚生労働省の試算です。

そのため、介護職員の離職の防止や処遇の改善、定着の促進、生産性の向上などが喫緊の課題となっています。

そのような背景において、介護ロボットの活用で現場の負担を改善できれば、人材確保の促進に役立つと期待できるでしょう。

【参考】第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について

理由2.高齢者の自立支援に役立つ

要介護者がすべて介護者に任せず、自分でできることは自分でしようとう気持ちを持つことは大変よいことです。そして、介護ロボットは要介護者が自分から行動をするための、自立支援の働きも担います。

ロボットによる解除が可能な部分が増えることによって、高齢者も積極的に行動が起こせるようになれば、介護ロボットが要介護者の自立支援に貢献できると期待できます。

最新の介護ロボットの種類

介護ロボットにはさまざまな種類があります。介護対象の項目ごとに細分化された種類を数えれば、相当な数に上るでしょう。

ここでは大きい枠で分類した、主な介護ロボットの種類について3つ紹介します。

  • 種類1.介護支援型ロボット
  • 種類2.自立支援型ロボット
  • 種類3.見守り型ロボット

それぞれの種類別に見ていきましょう。

種類1.介護支援型ロボット

介護支援型ロボットとは、介護者に対して介護作業を支援するタイプのロボットです。無理がある姿勢で要介護者を抱えたり、作業を行ったりなどで身体に大きな負担のかかる作業をサポートします。

例えば、要介護者の移乗を介護する際に、介護者が装着して機器のパワーアシストによって身体的負担を軽減する装着型ロボットがあります。

種類2.自立支援型ロボット

自立支援型ロボットとは、要介護者自身が使用して、歩行や入浴を安全に行えるようサポートするタイプのロボットです。

例えば手押し車型で、要介護者の外出の際に荷物を運べるようにする歩行アシストカートなどがあります。内臓モーターにより、上り坂では推進して下り坂ではブレーキをかけるなどで、安全な移動を支援してくれます。

また、排せつ物の処理に使う、設置場所の移動や調整ができて脱臭機能が装備されたトイレ型もあります。においが室内に広がらないので、居室内で便座に座って排せつができるでしょう。

他にも、要介護者がひとりで入浴するための一連の動作をサポートする、入浴支援のロボットもあります。浴室での転倒リスクを抑えられ、要介護者の負担も軽減できます。

種類3.見守り型ロボット

見守り型ロボットは、認知症の要介護者をセンサーによって見守るロボットです。外部通信機能と検知センサーが装備された機器を、要介護者がいるエリアに設置して、状況に異常はないかを24時間365日いつでも確認できます。

介護ロボットの6つの重点分野

介護ロボットには多くの分野が存在します。その中で特に重点分野とされるのは以下の6つです。

  • 重点分野1.移乗介護
  • 重点分野2.移動支援
  • 重点分野3.入浴支援
  • 重点分野4.排泄支援
  • 重点分野5.見守り支援
  • 重点分野6.介護業務支援

これら6つの重点分野においての介護ロボットのレベル向上が、それ以外のすべての分野を含めた介護事業全体のレベル向上につながるでしょう。

ここでは、6つの重点分野を個別に見ていきましょう。

重点分野1.移乗介護

移乗介護分野は、「ベッドから車いすに」「車いすから便座に」というように要介護者が乗り移る際に、介護者にかかる身体的な負担を軽減する機器の分野です。介護者が装着するタイプと装着せずに使うタイプがあります。

重点分野2.移動支援

移動支援分野は、要介護者の荷物運びや歩行などの安全を支援する機器の分野です。立ち座りやベッド、椅子、トイレなどの使用時の姿勢保持や動作のサポートもおこないます。機器は屋外型と屋内型があります。

重点分野3.入浴支援

入浴支援分野は、浴槽への出入りや入浴の一連の動作を支援する機器の分野です。入浴は要介護者の身体の清潔を担保し、尊厳を維持する重要な項目です。

要介護者が入浴する場合の身体的および精神的負担を減らします。転倒や脱水の予防、浴槽溺水などのリスクを抑えます。

重点分野4.排泄支援

排泄支援分野は、排泄に関する一連の行動をサポートする機器の分野です。タイミングを予測して適切な頃合いにトイレに誘導します。他にも、排泄のための下着の着脱をサポートすることが可能です。

重点分野5.見守り支援

見守り支援分野は、外部通信機能と検知センサーを備えることで、24時間365日にわたって要介護者を見守る役目を果たす機器の分野です。

見守りの体制を強化することによって、要介護者が自分から助けを求めていないケースや、暗所などで目視による状態確認がしづらい状況でも、異常を察知して救助がしやすくなります。

このタイプは在宅介護で使用されるものと、介護施設で使用されるものがあります。

重点分野6.介護業務支援

介護業務支援分野は、介護の業務に絡むさまざまな情報を集めるための機器の分野です。集められた情報は分析され、今後の介護における支援に活用されます。

また、介護サービスの詳しい内容を共有して、別の機器や介護記録システムなどと連携することで、介護の質の向上に役立つでしょう。

介護ロボットがもたらす3つのメリット

介護ロボットは介護者や要介護者に対して、主に以下の3つのメリットを提供してくれます。

  • メリット1.介護作業の効率をアップさせる
  • メリット2.介護者の心身の負担を軽減する
  • メリット3.要介護者のストレスを緩和する

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット1.介護作業の効率をアップさせる

従来の介護の現場ではマンパワーが必要だった業務を介護ロボットに任せることで、介護者に余力が生まれます。それを適切に他の業務に回すことができれば、介護現場においての作業効率化が可能です。

また、人間の行う業務はムラが出てしまうこともありますが、ロボットは故障しない限りは、基本的に24時間休まず稼働できます。

メリット2.介護者の心身の負担を軽減する

介護者が要介護者の姿勢を長時間支えたり、車いすやベッドに移乗したりするためには、体力が必要です。介護ロボットで腕力や体力の必要な介助活動ができると、介護職員は身体的負担を軽減することができます。

介護者には、要介護者を細心の注意を払いながら車いすに移動させたり、要介護者の身体を支えながら丁寧に歩いたりするので、身体的負担が常時かかっています。

とりわけ腰への負担は大きくて、介護の仕事に携わる人の中には、腰痛で悩む人が少なくありません。実際に腰痛を理由に退職するケースもしばしば見られ、介護者の身体的な負担を減らせる介護ロボットの導入は期待されています。

また、介護ロボットによって身体的な負担が大幅に軽減されて、業務内での時間的な余裕が生まれると、精神的なストレスも緩和されることにつながるでしょう。

メリット3.要介護者のストレスを緩和する

要介護者の中には、他者が体に触れることに拒否反応を示す人もいます。そのような場合も、介護ロボットを使用すれば精神的な負担を感じずに介助を受けられるでしょう。

また、介護者からさまざまな介助を受ける際などに、恥ずかしさや申し訳なさを強く感じてしまう要介護者も多いようです。恐縮し、遠慮しながら介護されるのも、精神的な負担になるかもしれません。

しかし介助を行う主体が人ではなく専用の介護ロボットなら、決して負い目を感じず、遠慮なしに気持ちよく介護を受けることが可能です。

介護ロボットの未来に期待しよう

介護の分野は、今後ますます重要になってくることが予想されます。DXの一環として介護ロボットが導入されていくことは、多くの介護者、要介護に恩恵をもたらすのは明らかです。

介護される側とする側双方の身体的かつ精神的な負担を軽減し、ストレスを緩和する介護ロボットに、期待と注目が集まるのは当然の流れです。

介護支援型や自室支援型、そして見守り型の介護ロボットが、6つの重点分野を中心に活用されれば、高齢者とその家族や介護事業に携わる人たちにとって多大なメリットをもたらすでしょう。介護ロボットの未来に、ぜひとも期待したいものです。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長