お役立ちコラム

高齢者のスマホ事情は、年々変化を遂げています。「そろそろガラケーからスマホに変えようかな」と考えるシニアも多いのではないでしょうか。今回は、高齢者が知っておきたいスマホの利用法や注意点を紹介します。スマホデビューに向けてぜひ活用してください。

高齢者のスマホ事情!60代の普及率は81.0%

総務省の2020年の調査によると、60歳以上のスマホの利用率は81.0%です。もっとも利用率が高いのは20代の95.0%。次いで30代の94.5%と続きます。

高齢者のスマホ普及率は全年代のなかでは低いものの、他の端末と比較するともっとも高いという結果もでています。60歳以上のテレビの利用率は67.0%。ノートパソコンにいたっては、60.0%です。

こうした結果からも、60歳以上の年代にとって、スマホがデジタルツールの大部分を占めていることがわかるでしょう。

60歳以上はケーブルテレビ回線の利用率が高い

同調査によると、インターネット接続方法にも年代ごとの違いが見られます。

全世代をとおして多いのは、光回線の54.1%です。次いで携帯電話の32.7%、モバイルWi-Fiルーターの27.8%と続きます。接続方法の第4位にあたるケーブルテレビ回線の利用率は、全体の13.5%です。

ケーブルテレビ回線の利用率を年代別で見ると、60歳以上が24.0%ともっとも高い割合を示しています。30代の利用率6.0%と比較すると、その差は7倍。これは各世代をとおし、60歳以上がもっともテレビの利用率が高いことが影響していると考えられるでしょう。

高齢者がスマホを持つきっかけは「家族」

若年層に比べ普及率が低いなか、高齢者がスマホを持つきっかけとなるのが「家族」です。2017年の調査によると、60代の15.7%が「家族にすすめられたから」という理由でスマホを保有していいます。

次いで、「インターネットの広告を見て興味を持ったから」が10.8%。「家族が持っているのを見て興味を持ったから」が10.3%です。

70代もまた「家族にすすめられたから」が16.8%ともっとも多いものの、第3位には「キャリアショップですすめられたから」という理由があがっています。

ショップ店員にていねいな説明を受けるなかで、スマホへの乗り換えを決める人が多いのかもしれません。実際に手にとってみることで、スマホへの不安感が払しょくされたというケースもあるでしょう。

【参考】
総務省「デジタルで支える暮らしと経済」
MMD研究所「2017年6月 iPhone&Android シニア層のスマホ意識調査」

高齢者のスマホ利用目的は「通話」や「メール」

スマホを利用する高齢者を対象にした調査では、利用目的は「メール」が67.8%と、もっとも高い割合を占めています。次いで、通話利用が67.4%と、連絡手段としてスマホを使用する高齢者が多いようです。

また、通話に利用する男性が63.8%に対し女性は71.0%と、女性のほうが会話のツールとしてスマホを利用していることがわかります。メールに関しても、女性69.4%に対し男性66.2%という結果が出ており、女性のほうが全体的にスマホを活用する頻度が高いことがわかります。

LINEアプリの利用率は年々上昇傾向

アプリケーション「LINE」の高齢者利用率は、年々上昇傾向にあります。2019年の利用率34.5%に比べ、2020年には46.3%。女性に関しては51.6%と、半数以上がLINEを利用していることになります。

手軽にメッセージのやり取りができるLINEは、家族や友人とのコミュニケーションツールとして利用されています。ビデオ通話もかんたんで、離れて暮らす家族とも顔を見ながら会話できるのがメリットです。共通の趣味を持つ友人同士でグループを作れば、メッセージや写真を手軽に共有できます。

カメラの性能が良いスマホなら、孫の動画や写真をやり取りする楽しみも増えそうですね。スマホの普及に合わせ、高齢者のLINEの利用率はさらに上昇していくかもしれません。

情報収集ツールとして利用する高齢者も多い

スマホは、高齢者の情報収集ツールとしても利用されています。インターネット検索利用率は54.3%、ニュース閲覧は51.8%と全体の半数以上です。そのほか、地図や天気予報の確認ツールとしても活用されています。

高齢者のなかには、有名人のインスタグラムアカウントをフォローし、情報収集するケースもあるようです。料理レシピのアプリを活用すれば、日々の献立づくりに役立ちます。さまざまな使い方を知れば、楽しみの幅がさらに広がっていきそうですね。

【参考】ソニー生命「シニアの生活意識調査2020」

高齢者がスマホを購入するときの3つの注意点

高齢者がスマホを購入するときは、次の3つの注意点に気を付けましょう。

  • 注意点1.実際にショップで手にとってみる
  • 注意点2.契約時に不要なオプションをつけない
  • 注意点3.使いやすいシンプルな端末を選ぶ

スマホは種類が多く、購入時はどれを選べば良いか迷ってしまいがちです。これらの注意点をあらかじめ頭に入れながら、自分にぴったり合った一台を見つけましょう。

注意点1.実際にショップで手にとってみる

高齢者がスマホを購入するときは、実際にショップで手にとってみるのがおすすめです。スマホは、機種によってサイズや重さがさまざま。そのため、手にとったときの持ちやすさも異なります。

特に、ガラケーより大きいスマホは、高齢者は持ちづらく感じるものです。画面は大きいほど見やすいものの、手が小さい方は落としそうになってしまうかもしれません。そのため、手になじみ、落としても壊れにくい仕様のスマホであればより安心です。

近年は、携帯ショップだけでなく、家電量販店にもスマホのデモ機が並べられています。「ちょっとだけお店を覗いてみたい」「手にとるだけ」という場合は、大型店のほうが気楽かもしれません。実際に目で見て操作性を確かめながら、じっくりと好みの機種を検討していきましょう。

注意点2.契約時に不要なオプションをつけない

スマホの契約には、さまざまなオプションが付いています。破損や紛失した場合の補償サービスは、ぜひ付けておきたいところです。しかし、なかには自分にとって不要なオプションサービスもあります。

特に、初回月は無料でも、翌月から課金されてしまうサービスは注意が必要です。解約のタイミングや方法がわからずにいると、そのまま料金を払い続けてしまうことになります。

また、スマホと同時にWi-Fiの購入やレンタルサービスを勧められることもあります。必要なものであれば構わないものの、内容がよく理解できずに契約すると、月々の料金が高くなってしまうケースも。可能であれば、家族が内容を確認してから契約に進むようにしましょう。

注意点3.使いやすいシンプルな端末を選ぶ

高齢者が使うスマホは、使いやすいシンプルな端末を選ぶようにしましょう。必要以上にハイスペックなものを購入しても、結局扱えなくなってしまうかもしれません。事前にスマホの利用目的を見極めておけば、より自分にマッチする機種が選択できます。

具体的には、画面が見やすく操作がかんたんなものがおすすめです。スマホはガラケーに比べてボタンが少なく「どれを押せばいいかわからない」というケースも考えられます。電話、メール、ホームのボタンが並んでいれば、高齢者もかんたんに操作できるでしょう。

高齢者のスマホ利用で起こりうる4つの問題点

高齢者がスマホ利用には、次の4つの問題が起こりうる可能性があります。

  • 問題点1.使用後の切り忘れによる料金加算
  • 問題点2.個人情報や暗証番号の漏洩
  • 問題点3.ワンクリック詐欺や悪徳商法による被害
  • 問題点4.歩きスマホによる転倒

高齢者の暮らしを便利するスマホも、使い方次第ではトラブルの原因になることも。あらかじめこれらの問題点を理解したうえで、スマホを活用していきましょう。

問題点1.使用後の切り忘れによる料金加算

ガラケーは、電源ボタンを押して通話を終了します。一方、スマホは通話アプリの通話終了ボタンを押さなくてはいけません。そのため、スマホに慣れないうちは通話を切り忘れてしまう恐れがあります。

通話を切り忘れると、そのまま通話料がかかってしまうため注意が必要です。電源ボタンを押すと通話が切れるスマホや、LINEの無料通話アプリを使えば切り忘れに対処できます。

さらに、スマホが一時休止状態になるスリープ機能も上手に活用したいところです。電源が付いたままポケットやかばんに入れると、何かの拍子で誤作動を起こしてしまうかもしれません。定期的にスリープ状態になるように設定しておけば、必要なときだけ使用できます。

ガラケーと違い、スリープ状態のときは画面が暗くなるということもあわせて理解しておきましょう。

問題点2.個人情報や暗証番号の漏洩

楽しく便利なアプリケーションも、使い方次第では個人情報が漏洩する恐れがあります。SNSに投稿された何気ない情報から、自分の住む地域が特定されてしまうことも少なくありません。かんたんに他人と繋がれるからこそ、個人情報の取り扱いには注意が必要です。

ネットバンキングやインターネットショッピングには、IDやパスワードの入力が求められます。不正アクセスを防ぐためには、パスワードの使いまわしは避けるのがおすすめです。

とはいえ、IDやパスワードを複数持っていると、どれがどれかわからなくなってしまうかもしれません。これらの情報はメモにまとめ、人の目に触れない場所に保管しておきましょう。

問題点3.ワンクリック詐欺や悪徳商法による被害

無料アプリを利用していると、画面に広告が表示されることがあります。何も知らずタッチすると、知らない間に課金システムにつながることがあるため、注意が必要です。必要のない箇所にはむやみに触れないように気を付けましょう。

また、知人になりすました不審なメールにも注意してください。添付されたURLをクリックすると、個人情報が抜き取られる恐れがあります。身に覚えのない連絡や、不審な内容のメールは基本的に無視するように心がけましょう。

問題点4.歩きスマホによる転倒

高齢者に限らず、歩きスマホは危険な行為です。視野が狭くなり画面に集中することで、危険察知能力が薄まってしまいます。

今までガラケーを使用していた高齢者は、片手での操作に慣れているかもしれません。しかし、スマホはその形状から両手で操作する必要があります。そのためとっさのときに手が出ず、転倒時のリスクが高まってしまうのです。

歩きスマホは自分が転倒するだけでなく、他者とぶつかり相手にけがを負わせる恐れもあります。スマホは、安全な場所で必ず立ち止まって使用しましょう。

高齢者のスマホデビュー!設定時の5つのポイント

自分に合った機種を見つけて契約をしたら、いざスマホデビュー。使用前の設定は、次の5つのポイントをおさえておきましょう。

  • ポイント1.指紋認証や顔認証を設定する
  • ポイント2.文字サイズを大きく設定する
  • ポイント3.必要に応じて位置情報を共有しておく
  • ポイント4.問い合わせ先を確認しておく
  • ポイント5.防災アプリをインストールする

便利な機能を活用すれば、さらに快適なスマホライフを送れますよ。

ポイント1.指紋認証や顔認証を設定する

スマホには、指紋認証や顔認証といった自動ロックを解除するための機能が付いています。

スマホを紛失してしまったとき、他人に情報を見られないためにも、自動ロックは設定しておくのがおすすめです。ただし自動ロックを設定すると、使用するたびにパスワードを入力する必要があります。

指紋認証や顔認証は、指で触れたり画面をのぞき込んだりするだけでロックが解除できるとても便利な機能。認証がうまくいかなかった場合のみ、暗証番号の入力が求められます。

いざというときのために暗証番号はメモに残し、人の目に触れない場所に保管しておくと安心ですよ。

ポイント2.文字サイズを大きく設定する

高齢者向けのシンプルなスマホは、もともと文字サイズを大きめに設定してあります。それ以外のものであれば、設定機能から文字サイズを見やすい大きさに変更しましょう。

また、画面をタッチしたり、指でなぞったりすると拡大する機能も覚えておくと便利です。画面が明るすぎると目が疲れるため、明るさ調整もあわせておこなうと良いでしょう。

ポイント3.必要に応じて位置情報を共有しておく

スマホには、保有者がどこにいるのか把握できる位置情報システムがあります。必要に応じて位置情報を共有できるよう設定しておけば、離れて暮らす家族も安心です。

また、家族が高齢者のスマホを管理するのであれば、アプリの利用制限も検討してみましょう。利用制限は、知らずに不要なアプリをインストールしないように他者が制限できる機能です。

位置情報も利用制限もプライバシーにかかわる問題のため、本人とよく相談しながら決定していきましょう。

ポイント4.問い合わせ先を確認しておく

スマホを利用する際は、トラブルが発生したときに慌てないよう、問い合わせ先を事前に確認しておきましょう。利用する本人だけでなく、家族も把握しておくとより安心ですね。

スマホの操作方法がわからないときは、家族や購入先のショップに相談するのがおすすめです。家族が近くに住んでいないという場合は、最寄りのキャリアショップを把握しておきましょう。

「知らない間に商品の購入手続きをしてしまった」「悪質商法のトラブルにあった」というときは、消費者ホットライン(#188)に相談できます。また、警察相談専用電話(#9910)には、スマホに関するもの以外にも、生活の悩みや困りごとを相談可能です。

家族の電話番号は、すぐつながるように設定しておくのもおすすめ。緊急時にも電話帳を開くことなく、すぐに相手に連絡できますよ。

ポイント5.防災アプリをインストールする

スマホは、災害対策のサポートもしてくれます。スマホデビューにあわせ、防災アプリをインストールすると安心です。

防災アプリは、住んでいる地域の防災情報を受け取れるアプリケーション。地震や津波、豪雨や熱中症といった災害に備えられます。危険な地域を地図で確認できるため、高齢者でもわかりやすいのが特徴です。

なかにはライブカメラが搭載されていたり、ニュースを動画で見聞きできるものもあります。スマホもラジオやテレビと同じように、緊急時の大切な情報源になってくれるでしょう。

高齢者のスマホデビューには、念入りな情報収集を

スマホは、高齢者の生活を便利で快適なものにしてくれます。動画や写真も手軽にやり取りでき、家族や友人との大切なコミュニケーションツールになってくれるでしょう。

その反面、使用時は便利さゆえのトラブルも考えられます。高齢者がスマホを使う際は、注意点をよく理解しておくことが大切です。購入前は念入りな情報収集を重ね、快適なスマホライフを送りましょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長