お役立ちコラム

自宅で過ごす時間が長くなると、運動不足が心配になる方も多いのではないでしょうか。筋力低下予防や転倒予防のためにも、自宅でできる運動を取り入れたいものです。今回は、自宅でもできる運動のポイントを解説します。運動が高齢者にもたらすメリットとあわせ、ぜひ参考にしてください。

高齢者に運動が必要な理由とは?

年齢を重ねると筋力が低下し、歩行が不安定になったり疲れやすくなったりといった症状が現れます。このような身体能力の低下は、加齢により誰にでも起こりうる自然な現象です。

しかし、筋力の低下を放置していると身体機能に障害が生じる可能性があります。要介護状態を防ぐためにも、高齢者は特に適切な運動を心がける必要があるのです。

高齢者が運動をする4つのメリット

筋力低下を予防する運動は、高齢者に以下のような4つのメリットをもたらします。

  • 1.フレイル(虚弱化)予防につながる
  • 2.ストレス発散になる
  • 3.心肺機能を高め感染症を予防
  • 4.生活の質(QOL)を向上させる

それぞれのメリットについて、くわしく掘り下げていきましょう。

メリット1.フレイル(虚弱化)予防につながる

フレイルとは「筋力低下や活動量の低下」「歩行速度の低下」「易疲労性」「体重減少」のうち3つ以上が当てはまる状態です。フレイルが進行すると介護が必要となり、転倒リスクや死亡率が高まると考えられます。適切な運動により筋力低下を防げば、フレイルを予防し、転倒や死亡リスクも軽減できるのです。

また要介護の前段階であるフレイルは、回復できる力が残っている状態でもあります。そのためフレイルになったとしても、運動によって健康状態を取り戻すこともできるでしょう。

メリット2.ストレス発散になる

運動には、筋力低下予防だけでなくストレス発散につながるというメリットもあります。天気の良い日に屋外をウォーキングすれば、よりリフレッシュ効果も高まるでしょう。

ジムや介護予防施設にて運動に取り組めば、他者交流も生まれます。会話によって脳に刺激が与えられるため、認知機能の低下予防にもつながるのです。運動によって体力や体型に自信が生まれることで自己肯定感が高まり、精神的な安定も得られるでしょう。

メリット3.心肺機能を高め感染症を予防

感染症予防には、免疫力を高めることが効果的です。ウォーキングや水泳など、軽く息が弾む程度の運動は心肺機能を高め、免疫力が向上するといわれています。高齢者が心肺機能を高めるためには、1日20分程度のウォーキングや10分程度の体操やストレッチを心がけるとよいでしょう。

メリット4.生活の質(QOL)を向上させる

運動により要介護状態を予防することは、高齢者の生活の質(QOL=Quality Of Life)向上にもつながります。生活の質が良いということは、健康状態が良いことだけを意味するのではありません。周囲との人間関係が良好であり、社会参加しながら精神的な充実感を得ていることを意味します。

運動により身体機能が改善されれば、食事量とともに活動量もアップします。結果、心身ともに充実した日々を過ごすことができるでしょう。

転倒予防や筋力向上に!おすすめの予防運動

ここからは「バランス」「筋力低下予防」「柔軟性アップ」に着目した予防運動を紹介します。どれもスペースを取らず、自宅で手軽に取り組めるものばかり。リフレッシュ効果を高めるウォーキングとあわせ、それぞれのポイントをおさえていきましょう。

1.バランスを保つための運動

高齢者の転倒予防には、身体のバランスを保つための運動が効果的です。自宅で行う場合は、周囲にモノがない安全な場所で実施しましょう。身体がふらつくときは無理をせず、支えを利用しながら行うことも大切です。

(1)前後左右のステップ

立った状態で両腕を前に組み、右足を大きく前に一歩を踏み出します。バランスを取りながら、踏み出した足をもとの位置へと戻してください。同じように、左足も前後のステップを繰り返します。回数の目安は、それぞれ5回ずつです。身体がふらつくときには片手を椅子や机に置き、バランスを維持しながら行いましょう。

(2)四つ這いになってバランス

四つ這いになり、両手両足を肩幅に広げます。右手と左足を同時に上げ、5秒間姿勢をキープします。もとに戻したら、反対側の手足も同じように行いましょう。手と足を同時に上げるのが難しい場合は、手だけや足だけ行っても効果的です。

2.筋力低下を防ぐ運動

筋力低下を防ぐ運動は、下肢を中心に行います。最初は無理のない回数から始め、慣れてきたら徐々に回数をアップしていきましょう。

(1)ゆっくりももあげ

立った状態でゆっくりと片方の太ももを上げ、ゆっくりと下ろします。身体を支えている足のかかとをあげ、伸びあがるように行うとより効果的です。左右10~20回を目安に、ふらつきに気を付けながら実施しましょう。

(2)いつでもできるスクワット

スクワットは、下肢筋力アップに効果的な運動です。まずは両足を肩幅に広げ、両手を頭の後ろに組みます。その状態から、ゆっくりとひざを曲げていきましょう。このとき、息を吸いながら行うことがポイントです。

立ち上がりの際は、ゆっくりと息を吐くように心がけてください。ひざを曲げる角度は、無理のない範囲でかまいません。一度に行う回数の目安は10~20回ですが、ひざに痛みを感じる場合は、無理をしないように気を付けましょう。

(3)かかとの上げ下ろし

かかとの上げ下ろしは、いすやテーブルに手をついた状態で行います。身体を支えながら、10~20回を目安にかかとの上げ下ろしを繰り返しましょう。ひざが曲がらないように気を付けながら行うことがポイントです。

3.柔軟性を高めるストレッチ

ストレッチには、身体のこわばりを取り柔軟性を高める効果があります。特に、自宅で動かない時間が続くと身体は硬くなりがち。加齢とともに痛みを感じやすい足腰を中心に、ストレッチで筋肉をほぐしていきましょう。

(1)アキレス腱を伸ばすストレッチ

アキレス腱伸ばしには、椅子を使用します。座面を向こう側にセットした状態で、椅子の背に手を置きましょう。足を前後に開き胸を張りながら、後ろ足のかかとを床に押し付け、アキレス腱をゆっくりと伸ばします。反対側の足も同様に行いましょう。

(2)脚裏を伸ばすストレッチ

椅子に浅く座り、片足を前に伸ばします。胸を張りながら状態を前へ倒すと、太ももの裏側の筋肉が刺激されます。痛みのない範囲で、ひざは曲げないように注意しましょう。

(3)脚の前側を伸ばすストレッチ

太ももの前側を伸ばすストレッチにも、椅子を使用します。まずは、背もたれが右側に位置するように椅子をセットします。

右側の背もたれにもたれるように腰かけたら、右足を前に大きく広げましょう。お尻の左側が浮き、左足の太もも前面が伸びるのを感じられるはずです。ある程度伸びたら椅子を反対向きにし、右側も同様に行います。

4.リフレッシュ効果もあるウォーキング

屋外で行うウォーキングは、高齢者にリフレッシュ効果をもたらします。軽く息があがる程度の速さで20分以上行うとより効果的です。転倒や足腰の痛みを予防するためにも、ウォーキングの前後にもストレッチを取り入れましょう。

高齢者の介護予防を始めるには手軽な内容の運動を

高齢者の介護予防には、毎日こつこつと運動を続けることが効果的です。筋力低下を予防し基礎体力が向上すれば、生活意欲もアップします。自宅で過ごす時間が長いときほど手軽な運動を取り入れ、身体と心の健康を目指しましょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長