お役立ちコラム

多様化する介護ニーズに合わせ、近年注目を集める「ナーシングホーム」。老人ホームのひとつであるナーシングホームは、介護と医療が一体となって高齢者を支える施設です。こちらの記事では、ナーシングホームの概要や対象者、スタッフなどについてわかりやすく解説していきます。

ナーシングホームはどんな施設?

ナーシングホームとは、欧米などにみられる医療や介護、リハビリをするための施設です。日本では明確な定義はないものの、民間運営の「有料老人ホーム」に多く見られる呼称となります。

有料老人ホームは、高齢者の住まいとしての役割を持つものや、介護サービスを付随させたものなどさまざまなタイプがあるのが特徴です。ナーシングホームもそのひとつとして、近年注目を集めています。

介護と医療の一体型施設

高齢化が進むことにより、現代の介護ニーズは多様化を見せています。病床や施設に空きがない場合には、医療的ケアや介護が必要であっても在宅生活を送らなくてはなりません。介護度が高く寝たきりの場合には、家族の負担も大きくなってしまいます。

ナーシングホームは、これまで独立していた「介護」と「医療」と一体化した施設。介護が必要な方の、新たな受け皿としての役割が期待されています。

ナーシングホームの入所対象者

ナーシングホームの対象者は、施設の形態によってさまざまです。介護が必要な要介護度1~5の方を対象としている施設もあれば、自立している方や要支援の方を受け入れる施設もあります。

医療体制の充実したナーシングホームは、胃ろうやたん吸引といった医療的ケアや、認知症やがんのような疾患に対応できることもポイント。安心して最期のときを迎えたい利用者さんや家族にとって、心強い施設であるといえるでしょう。

ナーシングホームのスタッフ

ナーシングホームには、主に以下のようなスタッフが配置されています。

  • 介護士
  • 看護師
  • 生活相談員
  • 機能訓練指導員
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

施設によっては看護師が24時間体制で常駐しており、体調の異変に速やかに対応することが可能です。

さらに、医療機関と連携し、医療的ケアが充実していることもポイント。連携先医師の訪問診療を受けられる施設もあります。リハビリスタッフのいる施設では、身体機能の維持、向上のためのリハビリ訓練を受けることもできるでしょう。

ナーシングホームが生まれた背景

新たな看取りの場として注目を集める、ナーシングホーム。ナーシングホームが生まれた背景には、現代社会の超高齢化問題が影響していると考えられます。

2040年には多死社会を迎える日本

超高齢化社会と呼ばれる日本では、死者数も年々増加傾向にあります。厚生労働省の調査によると、2040年に推計される年間死者数はおよそ160万人。「多死社会」と呼ばれる新たな局面を迎えるといわれているのです。

さらには、病院で亡くなる方は全体の約8割。「自分らしい最期」を迎えるためにも、看取り問題は重要視されています。

【参考】厚生労働省「我が国の医療の現状」

高まる終末期ケアのニーズ

2019年(令和元年)の調査では、60歳以上の約半数が「自宅で最期を迎えたい」と答えています。さらに、3分の1の方が「孤立死」を身近に感じているのです。しかし、実際には介護施設や自宅で最期を迎えることは難しく、多くの方が病院で亡くなっています。

このギャップを埋めるために誕生したのが「介護」と「医療」を一体化したナーシングホーム。「住み慣れた地で最期まで暮らしたい」という、終末期ケアのニーズに対応する施設として期待が寄せられています。

【参考】内閣府「令和元年版高齢社会白書」

ナーシングホームに期待される役割とは?

介護と医療を一体化させ、終末期ケアに対応するナーシングホーム。ナーシングホームには、多死社会に向けたさまざまな役割が期待されています。

地域包括ケアシステムの実現

住み慣れた地域で暮し続けるため、必要となるのが地域包括ケアシステムの拡充です。地域包括ケアの理想は、医療や介護、介護予防、生活支援の一体化。家族だけでなく、地域全体で高齢者を支えることを目的としています。

ナーシングホームは、医療と連携を図りながら生活を営むための介護施設です。医療と看護、介護やリハビリが一体化することで、より幅広いニーズに対応することが可能となっています。

介護離職ゼロを目指して

総務省の調査によると、2018年(平成29年)に介護を理由に離職した人は約9万9千人。平成29年以前と比べても、その数は横ばい状態です。これらの結果を受け、政府は介護休業制度の利用促進や、老人ホームの新設に取り組んできました。

公的な介護施設の入居待ちが問題となる中、新たに始まったのが有料老人ホームの新設費用の支援です。ナーシングホームを運営する有料老人ホームの増加は、要介護者の受け入れ先の確保につながると考えられています。

さらに、介護と仕事を両立できる環境を整えることが、介護離職ゼロの実現に近づくポイントであるといえるでしょう。

【参考】総務省「平成29年就業構造基本調査結果の概要」

高齢者の終の棲家にも「ナーシングホーム」

介護と医療が充実したナーシングホームには、社会全体で高齢者を支える地域包括ケアとしての役割も期待されています。対応できる疾患や医療的ケアも多く、介護度が高い方でも安心して過ごせることがポイントです。終の棲家を求める方にとって、新たな選択肢のひとつとなっていくでしょう。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長