お役立ちコラム

高齢者の介護を支える上で中心的な役割を担うご家族は、介護生活を進めていく間にうつ病を発症してしまう場合があります。介護うつを予防する方法や、介護うつを早めに疑う方法を知っておかなければ、対処が遅れてしまい思わぬトラブルを引き起こしかねません。

そこで本記事では、介護うつが起こる原因や介護うつになりやすい人の特徴、介護うつの具体的な症状や治療方法について、詳しく説明します。

介護うつが起こる原因とは?

介護うつが起こる原因は、以下の5つが代表的だとされています。

  • 1.精神的なストレスを抱えている
  • 2.身体的な疲労が慢性化している
  • 3.金銭的な余裕が無い
  • 4.協力者や相談者がいない
  • 5.頑張りすぎて燃え尽きてしまう

これらの原因を知っておくと、介護うつを発症する確率を下げられるようになり、心身ともに健康を保ちながら介護生活を送ることができるようになります。ここからは、介護うつが起こる原因について、詳しく説明します。

原因1.精神的なストレスを抱えている

介護うつが起こる1つ目の原因は、精神的なストレスです。仕事を抱えながら介護を行っているご家族がほとんどなので、仕事の疲労に加えて介護の負担が慢性化してしまうと、精神的なストレスが強くなってしまいます。

慢性的にストレスがかかってしまうと、心をリラックスさせる余裕がなくなってしまい、徐々に心身の症状として現れてきます。このような状態で介護を続けていると、症状がさらに悪化することが懸念されるため、長期的に見ても良い状態ではないと言えるのです。

原因2.身体的な疲労が慢性化している

介護うつが起こる2つ目の原因は、身体的な疲労の慢性化です。介護をする高齢者の状態によっては、介護度が高く身体的な負担が大きくなる場合があります。仕事による身体的な疲労に加えて、介護による身体的な疲労が慢性化してしまうと、体にかかる負担が蓄積してしまい、介護うつを発症しやすくなると言われているのです。

特に女性介護者では、更年期障害によって自律神経が乱れることで、頭痛やめまい、腰痛やほてりを感じやすくなります。介護の負担に加えて、ホルモンバランスが崩れることによる身体的な症状の変化も、介護うつと関係があるとされています。

原因3.金銭的な余裕がない

介護うつが起こる3つ目の原因は、金銭的な余裕のなさです。高齢者の介護度によっては、常時付き添っていなければならなくなることで、職場を退職しなければならないケースもあります。

今まで続けていた仕事を辞めてしまうと、経済的な負担が大きくなってしまい、介護による経済的負担も加わると、さらに家計が厳しくなってしまいます。このような状況では、適切な介護サービスを利用できなくなってしまい、精神的に消耗してしまうことで介護うつを発症しかねません。

原因4.協力者や相談者がいない

介護うつが起こる4つ目の原因は、協力者や相談者がいないことです。介護生活を送る上で、不安や悩みを相談できる人がいれば、精神的な負担を減らすことにつながります。しかし、協力者や相談者がいないと、自分自身で全て解決しなければならなくなってしまうため、心が追い詰められてしまうのです。

特に、身内に頼れる人がおらず、単身で介護している人は、このような状況に陥りやすくなっています。適切な相談先を知っておくと、解決につながる糸口をつかめるようになるため、1人で抱え込まないようにすることが大切です。

原因5.頑張りすぎて燃え尽きてしまう

介護うつが起こる5つ目の原因は、頑張りすぎて燃え尽きてしまうことです。経済面や時間に余裕を持てるような人でも、介護に強い責任感を持っている人や、不安や悩みを1人で抱え込んでしまう人は、介護うつになりやすいと言われています。

最初は意欲的に介護に取り組んでいても、介護に見合った成果を感じられなくなったり、理想としていた介護とのギャップを強く感じた場合に、介護に対する熱意が燃え尽きてしまうのです。このような状態が長期間続いていると、徐々に介護することが苦痛になってしまい、介護うつへつながるケースがあるため、注意が必要になります。

介護うつになりやすい人の特徴

誰もがうつになるわけではありませんが、介護うつになりやすい人には以下の3つの特徴があると言われています。

  • 1.介護ケアへの責任感が強い
  • 2.完璧に介護しようと考えている
  • 3.まじめで几帳面な性格

これらの特徴を理解しておくことで、ご家族が介護うつになるリスクが高いかどうかを把握できるようになり、事前に予防できるようになるでしょう。ここからは、介護うつになりやすい人の特徴について、詳しく説明します。

特徴1.介護ケアへの責任感が強い

1つ目の特徴は、介護ケアへの責任が強いことです。介護に責任を持って取り組んでいる人ほど、他者に協力を求めたり、不安や悩みを打ち明けたりしない傾向があります。

どれだけつらい状況になったとしても、自分自身の力で乗り越えなければならないと考えてしまうため、精神的に追い込まれてしまい、介護うつを発症してしまうのです。

特徴2.完璧に介護しようと考えている

2つ目の特徴は、完璧にケアしようと考えていることです。このようなタイプの人は、「介護はこうしなければならない」という高い理想を描いている傾向があります。

理想とする介護を追い求めてしまうあまり、心身の負担を感じても、自分自身の力で乗り越えようと考えてしまいます。そのため、介護が思い通りに進まなくなると、強いストレスを感じてしまうのです。

特徴3.まじめで几帳面な性格

3つ目の特徴は、まじめで几帳面な性格です。このような性格の人は、介護がうまく進まないことによって、自分自身を強く責めてしまう傾向があります。

自分自身のリフレッシュよりも、高齢者の介護を優先させてしまうことで、精神的なストレスを強く抱えてしまうのです。このような状態が長く続くと、心のバランスが乱れて、うつを発症してしまうのです。

介護うつで現れる症状とは?

介護うつを発症することで現れる症状には、主に以下の6つがあるとされています。

  • 1.睡眠リズムが乱れる
  • 2.食欲が低下する
  • 3.疲れやだるさが取れない
  • 4.常に不安感や焦りがある
  • 5.何事にもネガティブになる
  • 6.仕事などで思考がまとまらない

これらの症状を知っておくことで、早期に介護うつを疑えるようになり、トラブルが発生する前に適切な対応ができるようになります。ここからは、介護うつで現れる症状について、詳しく説明します。

症状1.睡眠リズムが乱れる

1つ目は、睡眠リズムが乱れることです。介護生活を続けていると、高齢者自身の睡眠リズムが乱れるケースもあり、それに合わせてご家族の睡眠リズムも変化します。

このような生活習慣が続いていると、心身の負担が蓄積してしまい、介護うつを引き起こしかねません。介護うつを発症すると、自律神経が乱れてしまい、睡眠リズムも乱れてきます。夜になってもなかなか寝付けなかったり、早朝に覚醒してしまう場合は、介護うつを疑う必要があります。

症状2.食欲が低下する

2つ目は、食欲が低下することです。介護うつを発症すると、食欲が極端に低下するため、無理やり食事を摂取するようになったり、食事を口に入れても味を感じにくくなったりします。

その反対に、お菓子などの甘いものを過剰に口に入れてしまうようになり、体重が極端に増えたり栄養バランスが乱れて体調を崩したりするケースもあります。

症状3.疲れやだるさが取れない

3つ目は、疲れやだるさが取れないことです。うつ病を発症する人の約半数は疲れやだるさが取れないという症状を訴えると言われており、気になって受診してみたらうつ病だったことが分かるというケースもあります。

十分睡眠をとっているにも関わらず、疲れやだるさが取れなかったり、ちょっとした動作でも疲れやだるさは感じてしまうのであれば、介護うつを疑う必要があります。

症状4.常に不安感や焦りがある

4つ目は、常に不安感が焦りがあることです。何かに追われている状況ではなかったとしても、イライラしたり焦ったりする気持ちがおさまらず、身の回りのことに対して不安に感じてしまいます。

このような症状は、誰かに相談しても改善することが少なく、専門的な治療を受ける必要がある可能性が高いとされています。

症状5.何事にもネガティブになる

5つ目は、何事にもネガティブになってしまうことです。介護うつを発症してしまうと、何事にも悲観的な考えを持ってしまい、物事をポジティブに考えられなくなってしまいます。

それによって自分自身を低く評価してしまったり、強い罪悪感を抱えてしまうことで、ネガティブな行動へとつながっていく危険性が高くなるのです。

症状6.仕事などで思考がまとまらない

6つ目は、仕事などで思考がまとまらなくなることです。今までは仕事上必要な内容を頭でうまく整理して行動できていても、介護うつを発症してしまうと、思考停止状態に陥ってしまい、仕事が進まなくなってしまいます。

物事の判断を誤ってしまったり、周りの人たちから集中力が欠如しているように見られたりするため、仕事に影響してしまうケースもあるのです。

介護うつになった場合の治療方法

介護うつになってしまった場合、どのような治療を受けて症状を改善させていくのかを知っておくことが大切です。介護うつを早期に発見し、適切な治療に結びつけていくことは、今後の介護生活に大きく関わってきます。主な治療方法には、以下の3つがあります。

  • 1.病院でカウンセリングを受ける
  • 2.介護うつを軽減する薬をもらう
  • 3.場合によっては入院や休職で体や心を休める

これらの治療方法の特徴を理解しておけば、介護うつの治療をスムーズに進められるようになり、できるだけ早く症状を抑えることにつながるでしょう。ここからは、介護うつになった場合の治療方法について、詳しく説明します。

治療方法1.病院でカウンセリングを受ける

1つ目は、病院でカウンセリングを受けることです。介護うつは、心身の不調を1人で抱え込んでしまうことで、症状がさらに悪化すると言われています。

できるだけ早くカウンセリングを受けることで、現在の状態を客観的に評価してもらい、適切な治療を結びつけてもらえるのです。

治療方法2.介護うつを軽減する薬をもらう

2つ目は、介護うつを軽減する薬をもらうことです。症状によっては、薬を使用することで早期にうつ症状を軽減できる場合もあります。

介護うつには、脳内で分泌されるセロトニンやノルアドレナリンなどが関与している場合もあるのです。これらを薬でうまくコントロールしなければ、どれだけカウンセリングを受けたとしても、症状の改善が見込めなくなってしまいます。処方された薬を適切に内服し、効果的な治療へとつなげていくことが大切です。

治療方法3.場合によっては入院や休職で体や心を休める

3つ目は、状態に応じて入院や休職で体や心を休めることです。カウンセリングを受けながら処方された薬を内服して、介護生活を進めていくことも可能です。しかし、症状によっては、現在の生活を中断して心の状態を改善させていかなければならないケースもあります。

介護から離れることで、介護者自身の治療に専念できるようになるため、より効果的な治療が受けられるようになります。その際、治療期間中に高齢者の介護が途切れないよう、適切な介護サービスを受けられるようにしておくことが大切です。

介護うつにならないための方法

介護うつを早めに疑い、早期治療に結びつけていくことは大切ですが、介護うつを予防していくことも重要です。介護うつにならないための方法として、以下5つの予防方法があります。

  • 1.ストレスの程度を把握する
  • 2.他者に協力してもらう重要性を知る
  • 3.不安や悩みがあれば相談する
  • 4.本や統計、ブログなどで適切な情報を手に入れる
  • 5.介護サービスをうまく利用する

これらの方法を知っておくことで、介護うつの発症を未然に防げるようになり、心身ともに健康な状態で介護生活を送れるようになるでしょう。ここからは、介護うつにならないための方法について、詳しく説明します。

予防方法1.ストレスの程度を把握する

介護うつにならないための1つ目の方法は、ストレスの程度を把握することです。ストレスは誰でも感じるものですが、どの程度ストレスを感じているかを見直してみることで、介護者自身のストレスと向き合い、早期に対処できるようになるのです。

それと同時に、どのようにすればストレスを解消できるのか、どのようなストレス発散方法があるのかを知っておくことも、ストレスを軽減させるために重要です。

予防方法2.他者に協力してもらう重要性を知る

介護うつにならないための2つ目の方法は、 他者に協力してもらう重要性を知ることです。介護うつになりやすい人ほど、介護の負担を1人で抱え込んでしまいがちです。

つらい時は協力してもらうことが大切であると知っておくと、ストレスを溜め込みすぎず、介護生活を過ごせるようになるのです。

予防方法3.不安や悩みがあれば相談する

介護うつにならないための3つ目の方法は、 不安や悩みがあれば相談することです。介護の身体的な負担に対して協力を得るのも大切ですが、精神的な不安や悩みを相談することも大切になります。

1人で抱え込んでも解決しない内容もあるため、具体的な解決策を手に入れるためには、周囲の助言は重要です。身近に相談できる人物がいなかったとしても、相談を受け付けてくれる機関や施設を知っておけば、心の拠り所を持ちながら介護を続けられるようになるでしょう。

予防方法4.本や統計、ブログなどで適切な情報を手に入れる

介護うつにならないための4つ目の方法は、 本や統計、ブログなどで適切な情報を手に入れることです。身近に相談できる人がいたとしても、タイムリーに解決したい内容がある場合もあります。

夜間や休日に相談できないことも考えて、本やインターネットを活用した情報収集方法を身につけておくのも、心の負担を軽減するために大切です。

予防方法5.介護サービスをうまく利用する

介護うつにならないための5つ目の方法は、 介護サービスをうまく利用することです。要介護状態になった人が利用できる介護サービスはたくさんあります。しかし、高齢者の状態変化や、介護者の状況によって、選ぶべきサービスが変わってくるのです。

これらの変化に適切に対応できるようにしておくことが、介護うつを予防するために重要です。ケアマネージャーや介護サービスの提供先と相談しながら、心身の負担を軽減できる体制を整えておきましょう。

まとめ

本記事では、介護うつが起こる原因や介護うつになりやすい人の特徴、介護うつの具体的な症状や治療方法について、詳しく説明しました。介護うつに関する知識を身につけておくことで、できるだけ早く介護うつを疑えるようになり、適切な対処ができるようになります。

また、介護うつにならないためには、1人で抱え込まず、介護サービスなどをうまく使うことも大切です。あなぶきの介護では、介護に関する不安や悩みを解決できるよう、介護相談を行っています。まずは、「介護相談・来場予約」から、お気軽にご連絡ください。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長