お役立ちコラム

高齢者人口の増加に伴い、高齢者の人口移動も目立つようになりました。特に東京と大阪から地方へ移動する高齢者が多く、平成27年には東京都から5,243人、大阪から1,101人が他都道府県に移動しました。

そこで、今回はどうして高齢者が「東京」と「大阪」という大都市から地方へ移動しているのか、その理由についてご紹介します。

 

■東京や大阪から地方へ移動する高齢者の増加

近年、東京や大阪などの主要都市から地方へ移動する高齢者が増えており、また、今後も地方へ移動する高齢者の人口推移が増えることが予測されています。

でも、どうして高齢者が地方へ移動しているのでしょうか。その主な理由は「住む場所」にあります。様々なサービス施設が充実していそうに見える東京や大阪ですが、実は老人ホームや介護施設は、高齢者人口に対して不足しているという問題があります。介護施設に入らないとしても、都心部の家賃は高額であるため、老後の生活を逼迫する原因にもなります。そのような、入居施設がないことや金銭面の問題を理由に、主要都市を離れる高齢者が多いようです。

また、子どもが自分の住んでいる地域へ高齢者となった親を呼び寄せる「呼び寄せ移動」も増えてきています。この「呼び寄せ移動」には、家族で助け合う生活が送れたり、何かあった時にすぐ対応できたりする、お互いの安心感が得られるというメリットがあります。最近では地方にも介護施設やサービス付き高齢者住宅の数が増えたため、家族と同居ではなく「介護施設に近居」という選択肢もできました。これも、呼び寄せ移動増加の一因です。

しかし、高齢者が地方へ移動することにはデメリットもあります。それは「それまで住んできた都市で作り上げたコミュニティーを手放して、交友関係を新しい土地で一から築き上げなくてはいけない」ということです。移動前まではとても社交的だったのに、新しい土地では友人関係を上手に築けず、引きこもりがちになってしまう高齢者もいます。他人とのコミュニケーションが減ると、認知症が進行しやすくなったり、うつ病などの精神疾患を抱えたりしてしまうことがあります。このようなことを考慮すると、高齢者が地方に移動する際は、民間の交流施設に通う習慣をつけたり、デイサービスなどの介護サービスを利用したり、もしくは介護士や看護師がコミュニケーションをとってくれる介護施設に入居することがおすすめです。

 

■高齢者が暮らしやすい地域づくり

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高齢者の地方移動の増加をうけて、政府は高齢者が地方に移り住むための支援をする方針を発表しました。その支援活動のひとつとして「さまざまな地方に高齢者が健康なうちに入居できる、高齢者向けの住宅を増やし、高齢者に第二の人生を楽しく過ごしてもらうコミュニティの形成をする」というものがあります。

そのコミュニティモデルとされているのが、主にアメリカで発達したCCRC(コンティニューイング・ケア・リタイアメント・コミュニティー/継続介護付きリタイアメント・コミュニティ)です。その特徴は、居住者全員が高齢者であり、なおかつ健康な高齢者から介護が必要な高齢者まで、その全員が充実した生活を送れる工夫がされているという点にあります。CCRCのようなコミュニティを地方に作ることで、地方創生の可能性も見込めるという「光」もありますが、一方で、「地方には土地や介護施設はあっても、十分な介護スタッフがいないため、この施設を日本で実現できるかは疑問だ」というネガティブな声もあります。

 

 

今回ご紹介したように、高齢者が地方へ移動することには「メリット」もありますが、もちろん「デメリット」もあります。また、政府がしようとしている、高齢者の地方移動の支援にも、「大きな可能性」と「実現を阻む現実的な問題」があります。もしもご自身やご家族の地方移動をご検討されているのであれば、これら全てを吟味して行動に移しましょう。

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