お役立ちコラム

訪問看護は、自宅での療養生活や介護生活を支えるサービスの1つです。
看護師などの医療従事者が定期的に自宅を訪問し、点滴やリハビリといった医療処置を含めたケアや生活援助を行います。

「在宅介護したいので、胃ろうチューブを管理してほしい」「入院期間はできるだけ短くして、自宅で療養したい」「高齢で通院が難しいから、自宅でリハビリを受けたい」など、人それぞれの事情や病状に合わせた幅広いスタイルの医療や介護が、訪問看護によって可能になります。

以下では、訪問看護の仕組み、利用対象者、サービス内容などをご紹介します。

 

■訪問看護の仕組み

訪問看護のポイントは、次の4つです。

・利用するには、医師の「訪問看護指示書」が必要
・医療保険または介護保険が適用される
・看護師や専門医療従事者によるケアが受けられる
・病院や診療所の訪問看護部門や、地域の訪問看護ステーションなどのサービス事業者がある

■訪問看護を利用できる人

訪問看護は、次のような方が利用できます。
①病気、怪我、障害をお持ちの方(医療保険による給付)
②要介護・要支援認定を受けている方(介護保険による給付)

①病気、怪我、障害をお持ちの方
自宅で療養生活を送るために必要な療養ケアや診療補助が、主治医の指示のもとで提供されます。

②要介護・要支援認定を受けている方
要介護1~5の方は「訪問看護」、要支援認定1~2の方は「介護予防訪問看護」の対象となります。
看護師などが定期的に居宅を訪問し、医師の「訪問看護指示書」にもとづく療養ケアや診療補助を行います。吸引、点滴、中心静脈栄養法、胃ろうチューブの管理といった医療処置や、理学療法士によるリハビリテーションなど、介護を超えたケアも受けられるのが特徴です。
なお、訪問看護・介護予防訪問看護については、医療保険ではなく介護保険が優先的に適用されます。そのため、ケアマネージャーに相談して、必要な訪問看護をケアプランに組み込んでもらうことからスタートします。

■訪問看護を行う人

訪問看護を行うのは、看護師をはじめとする医療の専門家です。
具体的には、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などがあげられます。利用者が必要とする療養ケアや診療補助の内容に従って、それぞれ適切な経験、知識、技術を持つ専門家が訪問することになります。
なお、いずれもかかりつけ医による「訪問看護指示書」にもとづき、医師や医療機関と連携しながら行われます。

■訪問看護のサービス内容

老人と介護士
訪問看護では、利用者の心身の状態に応じて、次のようなケアや診療補助が行われます。

【健康状態の観察】
・血圧、体温、呼吸、脈拍のチェック
・病状の経過観察と助言

【治療促進のための看護】
・酸素供給装置や人工呼吸器などの管理
・医師の指示による医療処置や検査
(在宅酸素療法、吸引、点滴、カテーテル管理、胃ろうチューブの管理、中心静脈栄養法など)
・服薬指導
・床ずれの予防や処置

【療養上のお世話】
・食生活、衛生、排泄のケア
・療養環境の整備
・コミュニケーションのサポート

【在宅リハビリテーション看護】
・体位交換や関節運動の指導、トレーニング
・日常生活動作(食事、排泄、入浴、歩行など)の訓練
・福祉用具(ベッド、トイレ、補聴器、車椅子など)の利用相談

【認知症ケア】
・認知症介護の相談
・コミュニケーションのサポート
・事故防止のケア

【ご家族への支援・相談】
・介護負担についての相談
・健康管理や日常生活に関する相談
・精神的サポート

【ターミナルケア(終末期の看護)】
・がん末期や終末期における痛みのコントロール
・看取りについての相談やアドバイス
・本人や家族の精神的サポート

このように、訪問看護では、利用者が安心して療養生活を送れるよう支えることはもちろん、生活の自立や社会復帰のサポートも行っています。
また、本人だけでなく家族や介護者へのアドバイスも行うことができるので、家族や介護者にとっても心強い存在となります。

■訪問看護の利用料金

訪問看護の利用料金は、通常サービス提供費用に、緊急時など特殊なケースの費用を加えたものになります。このサービス提供費用は各自治体や事業者などによって異なるため、一概に平均価格を言うことはできません。サービス提供費用は、さまざまな要素によって変わります。たとえば、サービスを利用する時間帯や利用時間。また、看護師の派遣元が訪問看護ステーションか、病院・診療所か、によっても価格差があります。あくまで目安ですが、以下をご参考ください。

【サービス提供時間が20分未満】

訪問看護ステーションの場合は1回310円、病院・診療所の場合は1回262円。

【サービス提供時間が30分未満】

指定訪問看護ステーションの場合は1回463円、病院・診療所の場合は1回392円。

【サービス提供時間が30分~1時間未満】

指定訪問看護ステーションの場合は1回814円、病院・診療所の場合は1回567円。

【サービス提供時間が1時間~1時間半未満】

指定訪問看護ステーションの場合は1回1,117円、病院・診療所の場合は1回835円となります。

(※厚生労働省「介護報酬の算定構造」(平成27年4月現在)を基に計算)

なお、夜間・早朝に利用すると、上記価格のおよそ1.25倍、深夜の場合はおよそ1.5倍の利用料金となります。これらのほか、緊急時訪問看護費用が指定訪問看護ステーションの場合で月540円、病院・診療所の場合で月290円かかります。また、特別管理加算やターミナルケア加算など、特殊な費用が加算されるケースもあります。

前述したとおり費用は、各自治体や事業者によって異なります。また、上記の目安費用は介護保険の自己負担額が1割の場合です。一定の所得がある場合は自己負担額が2割になります。

■訪問看護のメリット

血圧を計る

●医療従事者による専門的なケアが受けられる

訪問看護サービスを行うのは、看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった、資格を持った医療従事者です。
・点滴や胃ろうチューブの管理が必要……看護師
・歩行障害があり、リハビリが必要……理学療法士
・脳卒中の後遺症で上手く発音できず、リハビリが必要……言語聴覚士
というように、利用者の病状や健康状態に合った専門的なケアを、自宅で受けることができます。

●通院の負担が減る

高齢だったり傷病・障害があったりすると、病院に通うのが難しいことがあります。
訪問看護を活用すると、医師でなくても可能な医療処置(消毒・点滴など)やリハビリテーションは自宅で受けることができるため、通院の負担を最小限に抑えることができます。

●退院後、スムーズに自宅療養へ移行できる

入院によって病状がある程度回復し、退院しても傷口の消毒やたん吸引、医療器具の管理といったケアを、本人や家族がしなければならず、「上手く処置できるか不安……」という場合があります。また、自宅内の移動や食事、トイレといった生活も「健康なときと同じようにはいかないのでは……」と心配になることもあります。
訪問看護を活用すると、自宅で看護師の指導や補助を受けることができるので、安心してスムーズに自宅療養を始めることができます。

●家族の負担が軽くなる

家族看護や在宅介護を行っている家族には、肉体的にも精神的にも、さまざまな負担が生じます。また、外出が制限されるという問題や、「家族が病気や怪我をしたらどうすれば……」という心配もあるかもしれません。
訪問看護を活用すると、自宅での看護・介護に伴うケアを看護師などと分担できるので、家族の負担を減らすことができます。普段から看護師などのサポート体制があると、家族が急な病気や用事のときも対応しやすくなります。

●QOLの向上につながる

訪問看護は、自宅で充実した療養生活や介護生活を送れるようサポートします。そのため、「できるだけ自宅で過ごしたい」という方の気持ちを尊重することができ、QOL(生活の質)の向上につながります。

■訪問看護の注意点

●掃除や買い物といった日常生活のサポートは受けられない

訪問看護は自宅療養や在宅介護に伴う「療養ケア」を行うサービスなので、掃除、買い物、洗濯といった日常生活のサポートは含まれません。それらが必要な場合は、ヘルパーなどのサービスを活用する必要があります。

●利用開始までに日数がかかることがある

介護保険で訪問看護を利用する場合、ケアプランの作成やサービス提供者の決定といった手続きが必要です。また、要介護認定がまだの場合は、申請が通るまでに1ヶ月近くかかることもあります。
そのため、「退院後に訪問看護を利用したい」と考えている場合などは、早めに手続きを始めることが大切です。

●介護保険の訪問看護は、支給限度額に上限がある

介護保険で訪問看護を利用する場合、自己負担は利用額の原則1割ですが、要介護度ごとに支給限度額が設けられています。訪問看護のほかにヘルパーなどの介護サービスも利用する場合は、それらを合わせて計算します。支給限度額を超える部分については全額自己負担となります。

●事業所によっては土日祝、夜間が休み

訪問看護を行うのは、訪問看護の体制を設けた病院や診療所か、訪問看護ステーションなどのサービス事業所です。その全てが24時間・365日対応可能とは限りません。病院や事業所によっては、土日祝が休みだったり、サービス提供時間に制限があったりすることがあるので、事前によく確認することが大切です。

■メリットと注意点を知り、それらを踏まえたうえで決めることが大切

訪問看護は、自宅で介護サービスを受けられるという点で多くのメリットがあります。とはいえ、注意点もあるため利用の際には入念に検討することが大切です。

 

 

【「訪問介護」と「訪問看護」の違いについて】

「訪問介護」と「訪問看護」は、どちらも介護を必要とする人が利用できるサービスです。専門のスタッフが居宅を訪問して介護生活をサポートしてくれる点は同じですが、スタッフの資格やサービス内容、仕組みには違いがあるため目的に応じて使い分けることが大切です。
以下では、「訪問介護」と「訪問看護」の違いをご説明します。

■スタッフの違い

【訪問介護】

訪問介護は、訪問介護員(ホームヘルパー)と呼ばれるスタッフが利用者の居宅を訪問します。介護保険の訪問介護を提供するホームヘルパーは、①~⑤のいずれかの専門資格を持つ人です。

①介護福祉士(国家資格)
②介護職員初任者研修終了
③介護職員実務者研修修了
④訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修1級課程・2級課程修了
⑤介護職員基礎研修修了
※④と⑤は平成25年3月に研修終了

【訪問看護】

訪問看護を行うのは、看護師をはじめとする医療従事者です。具体的には、以下のような専門資格を持つ人が、利用者の病状や健康状態に応じて居宅を訪問し、ケアを行います。

・看護師、准看護師
・保健師
・助産師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士

■サービス内容の違い

買物補助

【訪問介護】

訪問介護のサービス内容は、食事・排泄・入浴・移動などの身体介護と、掃除・洗濯・買い物・調理といった生活援助です。専門技術を有する介護だけでなく、利用者の希望に応じて家事なども行えるのが特徴です。(ただし、利用者の家族のための家事やペットの世話、日常生活の援助を超えた大掃除などは除きます)
また、サービス事業所によっては、通院などを目的とした介助付き送迎サービスも行っています。

訪問介護のサービス内容、回数、時間はケアプランに基づいて提供されます。

【訪問看護】

訪問看護のサービス内容は、自宅療養や在宅介護に必要な療養ケアと診療補助です。清潔・食事・排泄のケアや介助は含まれますが、掃除・洗濯・買い物・調理といった家事は含まれません。
一方、訪問看護のスタッフは専門の資格を持つ医療従事者なので、訪問介護ではできない医療処置を行うことができます。たとえば、看護師であれば、点滴や胃ろう、傷口の消毒、床ずれの措置、人工呼吸器の管理などが可能です。また、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションを受けることもできます。
なお、訪問看護のサービス内容は医師の「訪問看護指示書」に従い、医療機関や医師と連携しながら行われます。このように訪問看護では、症状が重く医療処置を必要とする方のケアや、より身体機能の改善につながるサービスを受けられるのが特徴です。

■保険の違い

【訪問介護】

訪問介護サービスを提供するのは、介護サービス事業所です。都道府県知事などによる指定を受けた事業所では、介護保険が適用されます。なお、保険外で自費の訪問介護サービスを提供している、民間の事業所もあります。

【訪問看護】

訪問看護サービスを提供するのは、病院や診療所などの医療機関か、訪問看護サービス事業所(訪問看護ステーション)です。都道府県知事などによる指定を受けた事業所では、介護保険や医療保険が適用されます。
なお、保険外で自費の訪問看護サービスを提供している民間の事業所もあります。

いかがでしたでしょうか?

その他お悩みごとがある、もしくはご検討されているお客様は、一度あなぶきへご相談ください。

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ・
資料請求はこちら