お役立ちコラム

高齢化社会と呼ばれて久しい日本。確かに、ひと昔前に比べると街で見かける高齢者の数も増えました。政府の統計によれば、今後高齢化社会はますます深刻化すると考えられています。
避けられない高齢化問題。今回は、老齢者人口推移から日本の高齢化の現状やその要因、予測されている日本の高齢化社会の将来について考えてみます。

■日本の高齢化の現状

まずは、日本の高齢化の現状についてご紹介します。内閣府のデータによれば、2016年(平成28年)時点での日本の総人口は1億2,693万人、このうち65歳以上の高齢者の人口は3,459万人で、総人口の約27%を高齢者が占めています。

一方、労働力となって高齢者を支えるとされる15歳〜64歳の生産年齢人口は7,656万人で、総人口の約60%です。27%の高齢者を60%の人が支えているといえます。また、これから生産人口に入る14歳以下の人口は1,578万人で、総人口の約12%となっています。

・老齢者人口推移

総務省統計局のデータによれば、1950年(昭和25年)には500万人にも満たなかった高齢者は、1980年(昭和55年)には1,000万人を超えました。さらに平成に入ると急速に増加し、2012年(平成24年)には3,000万人を超えています。
老齢者人口推移から考えると、1950年(昭和25年)時点では総人口の約5%だった高齢者は、1985年(昭和60年)には10%を超えました。さらに2005年(平成17年)には20%を超え、2025年には30%を超えると予測されています。

■高齢化の要因

遊ぶ子どもたち

日本の高齢化の要因は、大きく分けて2つあると考えられています。

・平均寿命の高齢化

医学の進歩と栄養状態の改善により、日本人の平均寿命は大きく伸びました。内閣府のデータによると、1950年(昭和25年)には男性が58歳、女性が61.5歳だった平均寿命は、1990年(平成2年)に入ると男性が約76歳、女性が約82歳となり、約20年ほど伸びています。2015年(平成27年)時点では、男性が約81歳、女性が約87歳と、男女ともに80歳を超えるまでになりました。

・少子化による出生率の減少

平均寿命の高齢化にあわせて、少子化による出生率の低下も高齢化の一因と考えられています。内閣府の調査によれば、1949年(昭和24年)の第一次ベビーブーム時には年間260万人を超えた出生率が、1973年(昭和48年)の第二次ベビーブームには約210万人となりました。そこから毎年出生率は低下の一途をたどり、1989年(平成元年)には150万人を切りました。2014年(平成26年)には過去最低の出生率で約100万人となり、ピーク時の半分以下となっています。

■今後の日本の高齢化はどう進む?

大都会

今後も、日本の高齢化は進むと予想されています。このまま高齢化が進んだと過程すると、次のような状況に陥ることが考えられます。

・平均寿命の変化と出生率の低下

1950年(昭和25年)に比べて25年近く伸びている日本人の平均寿命ですが、今後もさらに伸び続け、2065年には女性が91歳、男性が85歳前後になると予測されています。さらに、もうひとつの高齢化の要因である出生率ですが、こちらも低下の一途をたどり、2020年には100万人を切り、2065年には56万人にまで減少すると予測されています。

・人口は2065年には9,000人を割るとも

少子化で子供が生まれないことによって、当然人口も減少します。すでに日本の人口は減少に転じていますが、今後さらに加速することが考えられます。
2016年(平成28年)時点では1億2,693万人だった日本の総人口ですが、2030年には1億2,000万人を割り込み、2055年には1億人を切るだろうと予測されています。

・1人の高齢者を1.3人で支える時代に

1950年(昭和25年)には、65歳以上はともかく、75歳以上の高齢者の数は非常に少ないものでした。総人口に占める高齢者の割合は少なく、高齢者1人を約12人で支える計算でした。
それが2015年(平成27年)には、高齢者1人を約2.3人で支える計算となり、生産人口にあたる1人の負担は大きなものになりました。さらに2065年には、高齢者1人を1.3人で支える時代が到来するだろうと予測されています。

 

深刻化する日本の高齢化問題。内閣府が出している統計や予測も、深刻化を裏付けるデータとなっています。今後避けられない高齢化社会問題は、人ごとではなく自分のこととして考えなければならない問題となっています。

■一人暮らしよりも寂しい「日中独居」

「高齢の父や母に、一人暮らしなんてさせられない」
そんな思いから、同居に踏み切るご家庭も少なくありません。それは一見すると、とても幸せなことのように見えるでしょう。しかし、「同居しているから」と安心してしまい、ご両親の気持ちにまで寄り添うことを忘れてしまうケースが増えているといいます。息子は会社、嫁も仕事や学校の用事、孫たちも学校や習いごとと忙しく、気が付くと高齢者が日中ひとりきりで家にいるというケースが多くあるのです。

高齢者の立場からすれば、寂しいけれど子どもたちもそれぞれ事情があることもわかるし、わがままは言えないという心境に陥ってしまいます。このような場合、身体を動かすわけでもなくひとりでテレビを見て過ごした結果、寝たきりになってしまうことや、痴ほうが進んでしまうケースもあるのです。また、日中ひとりで家にいる間に家事をしようとして、事故を起こしてしまうことや、ケガをしてしまう事例もあるといいます。「日中、忙しい家族の役に立てれば」という思いが招いた事故は、家族にとっても胸が痛いものといえるでしょう。

■同居家族がいることで受けられない行政サービスも

老夫婦と車椅子

一人暮らしの高齢者の場合、介護が必要であると判断されたときにはさまざまな行政サービスを受けることが可能です。生活支援ヘルパーや、訪問看護などを利用することもできます。しかし、家族が同居している場合は「必要なし」と判断されてしまうことも多くあるのです。

「ひとりで生活させるなんて、心配でできない」と一緒に暮らすことを決めたのに、その結果逆にさまざまな行政サービスを受けることができなくなる。家族の負担も増え、高齢者自身にとっても生活が不自由になってしまう。理不尽なようですが、それが現状です。行政サービスを受けられないが故に、高齢者がひとりで日中家にいることが多くなり、転倒してしまったり、調子を悪くして倒れたりしても、誰にも気付かれず最悪の事態に陥ってしまうこともあります。

■「老人ホーム」という選択肢

介護

高齢者の日中独居のひとつの解決策として、「老人ホーム」への入所があげられます。「家族の手から離れて、老人ホームに入居させるなんて」と躊躇する方も多いことでしょう。しかし、家族と一緒に住んでいても、実際は日中独居になってしまうのであれば、高齢者の方にとっては老人ホームのほうがより安全に、楽しく時間を過ごすことができるのです。

「一人暮らしはさせられない」と自分たちのところに呼び寄せた高齢な父や母が、日中独居状態に陥ってしまうというのは、家族にとっては不本意な部分もあるでしょう。そうであれば人の手を借りて、自分たちの負担も軽減し、高齢者自身が楽しく時間を過ごすことができる老人ホームという選択肢は、有効なのではないでしょうか。

 

家族の近くにいることだけが、必ずしも高齢者の幸せとは限りません。安全面を考えると、どうしても近くにいて欲しいと考える気持ちはわかりますが、高齢者自身がそれを望んでいるのかどうかというのも大切なポイントです。老人ホームという選択肢は、家族全体にとって大きな助けとなります。費用面の問題はもちろんあると思いますが、できる範囲でそういったサービスを活用するのも、高齢者やその家族にとってプラスになるのではないでしょうか。

 

あなぶきメディカルケア株式会社
取締役 小夫 直孝

2011年 4月 入社 事業推進部 配属 
2012年 4月 第2エリアマネージャー(中国・九州)
2012年11月 事業推進部 次長
2015年 4月 リビング事業部 部長 兼 事業推進部 部長
2017年 10月 執行役員 兼 事業推進部 部長 兼 リビング事業部 部長
2018年 10月 取締役 兼 事業本 部長 兼 事業推進部 部長

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